2012年4月1日日曜日

■格安ブーム“失速”せず ピーチ就航1カ月



格安ブーム“失速”せず ピーチ就航1カ月
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120401/bsd1204011146002-n1.htm
2012.4.1 11:45

 関西国際空港を拠点とする日本初の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションが、4月1日で就航1カ月。これまでに就航した新千歳、福岡、長崎線の利用客の反応も上々。3月28日に起きた長崎空港でのトラブルでは、1機の故障で3日間に渡って欠航が続くなど、高い機体回転率でコストを下げるLCC特有の課題も表面化したが、「格安ブーム」は“失速”していないようだ。

 「かなりの手応えを感じています」。ピーチの担当者は1カ月をこう振り返る。すでに就航した3路線では、1便あたりの定員の180席がほぼ埋まる日もあり、今後の予約も順調。3月中旬から長崎線のトラブル発生までは、全路線で定時運行100%を達成していた。

 機内販売では、安さを求める利用客が多いためか、南海電鉄の関西空港-難波(890円)が1割強安くなる片道引き切符が1番人気で、「1日50枚以上売れる」(南海電鉄)。機内食の有料サービスは、おつまみ(150円)などが人気で、「まさに飛ぶような売れ行き」(ピーチ)と、LCC流のサービスにも抵抗感は薄いようだ。

 ピーチの搭乗手続き場所がある関空内の商業施設「エアロプラザ」には、搭乗を控えた予約客も多く訪れる。大阪府泉佐野市の無職男性(71)は「息子がインターネットで予約してくれて、出発当日、迷うといけないから下見に来た」と笑う。他の航空会社の利用客も、記念撮影のために足を向けるなど、終日、にぎやかな雰囲気だ。

 ただ、ピーチが窓口を置くエアロプラザは、これまで関空の全搭乗手続きが行われてきた旅客ターミナルビルとは関西空港駅をはさんで反対側あり、利用客はエアロプラザから約10分かけ、バスで駐機場まで移動するため、搭乗手続き受付は出発時刻の30分前までが徹底されているという問題も起きている。

 3月下旬、新千歳線の最終便に搭乗予定だった札幌市の会社員女性(29)がエアロプラザに到着したのは出発時刻の約15分前。手続が終了したとして搭乗を断られると「間違って旅客ターミナルに行ってしまった。他社便の搭乗案内をしてくれるわけでもない」と憤った。同様のケースは数件起きているという。

 また、長崎空港で28日に発生したトラブルの影響で、同日から30日まで、長崎線と福岡線の計13便が欠航。ピーチは全3機の航空機を折り返しで効率的に使うことで経費を削減しており、その弱点が露呈した。

 だが、ピーチは「ご迷惑をかけ申し訳ない」としつつも「今後も安い運賃でご利用いただけるよう、努力を続けたい」と前向きだ。ピーチの“快進撃”は、どこまで続くのか。国内外の航空会社の注目が集まっている。

 ピーチ・アビエーション

 全日本空輸などが出資する日本初の格安航空会社(LCC)。関西国際空港を拠点に1日から新千歳、福岡線、25日から長崎線にそれぞれ就航。4月1日には鹿児島線へ就航するなど、年内に国内・国際計8路線で就航を予定している。片道の最安運賃は新千歳線4780円▽福岡線3780円▽長崎線3780円▽鹿児島線4280円。




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