2012年4月27日金曜日

■中国デジタル出版市場、端末の販売が低迷


中国デジタル出版市場、端末の販売が低迷
http://j.people.com.cn/94476/7797532.html
「人民網日本語版」2012年4月24日

 ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティの調査機関の清科研究センターは、「2011年第3四半期より、中国の電子書籍リーダーの売上が減少を続けている。海外の小幅成長と比べ、中国の同市場の業績は思わしくない」とする報告書を発表した。タブレットPCの影響を抜きにし、中国電子書籍リーダー市場の成熟化に向けた発展だけを見ても、眼前の利益のみを求める傾向が強く、将来性が不安視されている。新華網が伝えた。

 中国デジタル出版市場の急速な発展に伴い、業界最大手の漢王が2009年に行った大々的な宣伝により、電子書籍リーダー端末が人々に広く知られるようになり、一部愛好家から好評を博した。大規模なコンテンツ資源を持つ盛大信息科技有限公司は2010年9月、低価格の「Bambook」により市場に進出し、電子書籍リーダー端末の市場競争を激化させた。「端末+コンテンツ」か、「コンテンツ+端末」か、この議論が後を絶たない。中国の電子書籍リーダー端末市場は2011年より低迷しているが、海外市場では「Kindle」、「NOOK」がイノベーションを続けている。2年ほどの好況を呈したばかりの中国同市場は、なぜ低迷の色を濃くしてしまったのか。

 同センターの張亜男アナリストは同報告書で、「電子書籍リーダー市場の発展は、デジタル出版市場の発展によってのみ実現される。単一的な端末形式、もしくは水増し式のコンテンツは、最終的に市場から見放される」と指摘した。市場の各企業はコンテンツ資源の重要性に気づいても、対外的にはその資源の総量を宣伝するばかりで、価値あるコンテンツ資源の量を宣伝することはない。このような水増し式の発展では、活路を見出すことができない。

 張アナリストは、「漢王と盛大科技は、2つの面から同市場を攻略できる」と指摘した。まず、同市場の高いシェアによりコンテンツ資源の獲得を目指し、「端末+コンテンツ」の競争戦略を展開する。次に、コンテンツ資源を柱とし、電子書籍リーダーをコンテンツを広めるルートとして、「コンテンツ+端末」の競争戦略を展開する。同市場において、コンテンツは端末の発展で最重視されなければならない。これは漢王が盛大科技を相手に苦戦を強いられている原因だ。

 2011年末から2012年年初にかけて、ECモールの当当網と京東商城が同市場に進出した。現在の情勢を見ると、両社が大規模な発展を実現する可能性は低い。京東商城の動向が市場をかき乱すものに過ぎないとするならば、アマゾンに最も近いデジタル出版戦略を持つ中国企業の当当網が、低迷にあえぐ同市場に進出した理由は定かでない。当当網が後手に回り、機会を逃していることは間違いない。

 同報告書は、「企業が眼前の利益を求めることが、同市場の発展を妨げる障碍となっている。消費者の積極性が低い同市場は、2012年も引き続き低迷を続けるが、全面的な崩壊には至らない」と指摘した。デジタル出版は逆行を許されない世界的な流れである。中国市場の今後の競争において、下記の2つの傾向が予想される。まず、消費者を特定し、大量のユーザーとコンテンツ資源を保有する企業(盛大科技が代表企業)が、気楽に楽しめる読書を発展させる。次に、教育等の新興市場が発展する。同市場は忍耐強く育成する必要があるが、広大な市場の開拓には期待がかかる。(編集YF)



0 件のコメント:

コメントを投稿