2012年4月15日日曜日

■ヴェルサーチ、MCM…高級ブランド、次々日本再上陸のナゼ


ヴェルサーチ、MCM…高級ブランド、次々日本再上陸のナゼ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120415/bsk1204151800000-n1.htm
2012.4.15 18:00

 ここ数年、景気低迷の影響を受け、人気海外ブランドの日本撤退や規模縮小が相次いでいる。そんな中、一度は撤退したイタリアの高級ブランド「ヴェルサーチ」がカムバックした。2月に東京・新宿伊勢丹、3月1日には大阪の大丸心斎橋店でそれぞれオープン。ドイツブランド「MCM」も再上陸しており、日本の高級ブランド市場の牽引(けんいん)役となるか期待が集まっている。(杉山みどり)

 レディー・ガガ愛用

 「勝算がなければ日本に“再上陸”しませんよ」。ヴェルサーチ・ジャパン(東京都千代田区)のCEO(最高経営責任者)、齋藤博さんは力強く語る。

 官能的で派手な印象が強いヴェルサーチはバブル期に流行し、東京や大阪に豪華な路面店、ホテルや百貨店内にも多くの店舗があった。しかし、平成21年には日本から完全に撤退した。一方、欧米での人気は高く、米国の歌姫、レディー・ガガも愛用している。昨年秋にH&Mと組んだ「ヴェルサーチ・フォー・H&M」のアイテムは日本でも瞬く間に完売し、若い世代への認知度も高まった。

 日本再上陸にあたり、イタリア本国で企業体制を再構築するなどブランドを抜本的に見直したという。「今後、路面店も含めた日本での展開を考えています」と齋藤さん。大丸心斎橋店で海外ブランドの買い付けを担当するバイヤーの川端光隆さんも「ヴェルサーチには大いに期待しています」と話す。

キャンセル待ちも

 同じくバブル期に流行し、国内の店頭から姿を消していた「MCM」も今年2月、三陽商会(東京都港区)が展開するセレクトショップ「ラブレス」と組んで復活した。隣国の韓国で人気上昇中で、その勢いをもって再び日本に入ってきたようだ。

 「MCMを愛用するK-POPグループのビッグバンや2NE1などの影響もあるのでは」とラブレスのプレス担当・佐々木三恵さん。2月18日に販売開始したばかりだが、「予想以上の売れ行きに驚いています」(佐々木さん)。発売から2週間で売り上げ目標の約3倍と好調で、キャンセル待ちの商品もあるという。

 昭和から平成にかけて国内には海外有名ブランドがひしめいていた。だが、バブル崩壊後の景気低迷、リーマン・ショック(20年)による世界不況で撤退・規模縮小が相次いだ。21年、シャネルは九州と大阪の店舗を閉め、ルイ・ヴィトンは銀座・数寄屋橋への店舗出店計画を断念、翌年にはD&Gが撤退した。「日本に見切りをつけ、中国などのアジア市場に移行している」とみる関係者も多い。

 だが、齋藤さんは「むしろ、日本を安定した、成熟した市場としてとらえています」と話す。

 「ブランド品といえば何でも手を伸ばし、無理をしてまで手に入れていた時代は終わりました。今の日本の消費者は良いものを賢く買うようになっています」

 ヴェルサーチやMCMのように復活するブランドが増え、市場に活気が戻るのを期待したい。



0 件のコメント:

コメントを投稿