中国茶:禅の修業とお茶の関係
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0416&f=column_0416_006.shtml
【コラム】 2012/04/16(月) 10:26 サーチナ
北宋の政治家であり詩人、書家であった『蘇軾(そしょく)』の詩にこのようなくだりがあります。
「福建省の団茶を送ります。お口にあうかどうかわかりませんが、寺で座禅を組むときにそれを飲んで睡魔と戦ってください」
禅の修業中に眠気覚ましになるということで飲まれたお茶。座禅を組んでいるお坊さんの体にはどんなことが起こっているのでしょうか?
これは1955年東京大学の博士たちにより座禅中の禅僧の脳波を計測するという実験が行われました。脳波には次の種類のものがあります。
ガンマ波・・・ 興奮したときや腹を立てているとき
ベータ波・・・ 興奮状態やストレスを感じているときに出ている脳波
アルファ波・・・安静時に目を閉じている状態で出てくるとされる
慣れている作業を集中してこなしているときや、
ボ~っとリラックスしているときにも出る
シータ波・・・眠気や疲労を感じているとき
デルタ波・・・睡眠時の脳波
座禅を組んでいるときには目を半分ほど開けて座ります。実際に禅僧の脳波を測定してみるとはじめはちょっと興奮状態のベータ波から次第にアルファ波になります。修行を積んだ僧侶になると寝入りばなに出るシータ波が規則的な波を作りながら出てくるそうです。座禅の時に僧侶は寝ているわけではないそうです。その感覚は逆に鋭敏になっていて、目も耳もはっきり、目の前にある線香の燃え落ちる音まではっきり認識できるそうです。
座禅の基礎知識の本によると「このシータ波が出てきたときに、さまざまな幻影のようなものが見るが、それらにとらわれずそれを受け流すことが大事」なのだそうです。怖いものが見える人もいれば、宇宙と一体化したような幸福感を感じる人もいますが、どちらにも心をとらわれるのはよくないことで、受け流すことが正しいのだそうです。
そもそもお茶の覚醒効果をもたらすものは何でしょうか?それは『カフェイン』です。カフェインは飲んで30分ほどしてから覚醒効果を発揮してくれます。脳に蓄積してくる眠気成分の活性化をブロックし、かつ脳の報酬系という回路を刺激するので頭がスッキリし、気分がハイになるのだそうです。
私は最初はお茶が30分ほどしてシャキっと覚醒してくれるので、座禅の最初に飲むと頭がスッキリするのがよいのかなと考えていましたが、そういうわけでもないようです。脳波や仕組みについてはわかるのですが、私が座禅を成功させるのは遠い道のりがありそうで、正直なところお茶と座禅の関係についてはわからないところがいっぱいです。
ひとつだけわかることは、お坊さんの生活は掃除、炊事等、生活の行為そのものが修行なので座禅だけではありません。私たちの思っている以上に睡眠時間が短いので、お茶の覚醒効果と疲労回復効果が、ふと折れそうになる心を支えてくれるのかも知れませんね。
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