2012年4月12日木曜日

■関空連絡橋に「利用税」10月導入へ 利用者負担、懸念の声も


■関空連絡橋に「利用税」10月導入へ 利用者負担、懸念の声も 
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E3E3E2E6EA8DE3E3E2E6E0E2E3E09E9693E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E5
2012/4/12 2:30 日経Web

 川端達夫総務相は11日、大阪府泉佐野市が計画している関西国際空港の連絡橋を通る自動車への「利用税」の導入に同意した。連絡橋の国有化で固定資産税が減少した泉佐野市は10月から、連絡橋を通る車両1台に1往復当たり100円を課税し、年間3億円の税収を見込む。ただ、関西国際空港など連絡橋を利用する企業の間には負担増への懸念が広がっている。

 「関係機関と協議し、10月1日に(新税を)導入したい」。泉佐野市の千代松大耕市長は11日の記者会見でこう語った。

 同市が計画する「空港連絡橋利用税」は自治体が独自に課税する法定外普通税。課税する期間は5年。5年後に効果を検証して延長も検討する。

 利用税のきっかけは、国が2009年に関西国際空港会社が保有していた連絡橋を国有化したこと。この際、通行料を普通車で1500円から800円に引き下げたが、泉佐野市の固定資産税は約8億円減った。関空開港に合わせた過大な公共事業で財政が悪化し、財政再建が急務の同市には痛手だった。

 このため、同市は08年に利用税の導入を計画。この際は国交省が空港2期島を10年に前倒しで完成し、応分の固定資産税が得られるようにすることを約束したため、導入を見送った。

 2期島の完成が遅れて予定した税収が得られず、11年9月市議会で再び条例を可決。10月に関係書類を総務省に出した。一方、国土交通省は政策効果が失われると反発していた。

 総務相から意見を求められた地方財政審議会は「税額が少額で、住民の負担が著しく過重になるともいえない」「追加負担が関西空港へのアクセスに重要な影響を与えるとは認められない」と導入を容認した。

 大阪府の松井一郎知事は11日の記者会見で「財政が厳しい泉佐野市は、背に腹は代えられないのだろう。利用料が上がるのはやむをえない」と理解を示した。

 利用税は連絡橋を管理する西日本高速道路会社が料金所で通行料金に上乗せして徴収する予定。西日本高速は「利用税が導入され、実質的な料金引き上げとなるのであれば、利用者に負担を強いることとなるため非常に残念」とのコメントを発表。泉佐野市は「税の徴収方法や料金収受システムの変更などについて、西日本高速とこれから十分協議していきたい」(税務課)としている。

 私鉄やリムジンバス会社と協力し、運賃引き下げなどのアクセス改善策を実施してきた関西国際空港会社の福島伸一社長は11日、総務相の同意を「(利用税は)アクセス利便性向上の妨げとなり、空港利用者の負担を増やす。大変残念な結果だ」とコメントした。

 関空へのリムジンバスを運行するバス会社の関係者は「(利用税の)詳細が分からないので、運賃に上乗せするかは未定」と困惑気味だ。

 川端総務相は今回の同意にあわせ、地方自治法に基づき「利用者や関係者に対し、十分に周知し、理解を得るよう努める」ことを助言した。法定外税の新設で同法に基づく助言が行われるのは珍しい。

 千代松市長は記者会見で「利用者に丁寧に説明しながら、導入を進めていきたい」と強調した。




■関空連絡橋利用税に総務相同意 泉佐野市長は安堵も物流業界反発
2012.4.11 22:10

 大阪府泉佐野市が求めてきた関西国際空港の連絡橋利用税新設に総務相が同意した11日、千代松大耕市長は市の厳しい財政状況改善へ一歩踏み出せると安堵(あんど)の表情を見せた。一方、関空は7月の大阪(伊丹)空港との経営統合を控え、さらなる活性化策を模索中。関空へのアクセス悪化を招きかねない値上げに直結するだけに、関空会社や物流業界からは「利用者の負担を増やし、残念だ」と批判の声が相次いだ。

 千代松市長は市役所で取材陣の質問に答え、「関空との共存共栄より、市民生活を守る方が優先順位が高い。利用税は空港利用者や物流業界に大きな影響を及ぼすものではない」と言い切った。

 市は平成6年の関空開港に合わせた大規模なインフラ整備などで財政が悪化。21年度には財政破綻一歩手前とされる早期健全化団体に指定された。

 市にとって、21年に連絡橋が関空会社の所有から国有化されたことで失った年間約8億円の固定資産税の補填(ほてん)は悲願だった。

 補填策として浮上した利用税の導入は、20年8月にも議会で可決された。だが一度は条例を廃止し、昨年9月の条例案可決は2度目。千代松市長は「泉佐野の失われた固定資産税を、利用税新設の同意という形で理解してくれた総務相には感謝したい」と述べ、大阪市の橋下徹市長も「関空利用者には大きな負担」としつつも、「自治体の行動としては理がある」と、理解を示した。

 一方で、連絡橋の国有化は、関空活性化に向けアクセス改善を図る通行料の引き下げが目的だった。往復で普通車1500円だった通行料は800円となり、ETC(自動料金収受システム)割引などの適用も進んだ。しかし、10月以降、新たに100円が上乗せされれば、値上げとなり利用者の負担は増す。

 関空会社の福島伸一社長は「通行料金の引き下げ効果を減殺させ、アクセス向上の妨げとなる。大変残念」とコメント。大阪府トラック協会も「100円といえども、われわれ業界全体の負担は決して少額とはいえない。撤回を働きかけたい」と反発する。

 利用税導入後、徴収業務を担当することになる西日本高速道路会社との実務的な協議も必要で、千代松市長は「利用者や関係業界に丁寧に説明したい」と、今後も理解を求めていく姿勢を示した。



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