2012年4月5日木曜日

■カンボジア、来訪者数右肩上がり 昨年は15%増、中国人は4割増



カンボジア、来訪者数右肩上がり 昨年は15%増、中国人は4割増
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120404/mcb1204040501007-n1.htm
2012.4.4 05:00

 カンボジア観光省が発表した観光統計によると、2011年に同国を訪れた外国人客数は288万1862人で、10年の約250万人から約15%伸びた。観光収入は約19億1200万ドル(約1565億円)で、10年の17億8600万ドルから約7%増えた。

 ベトナムなど近隣諸国からの旅行者の増加が順調で、さらにカンボジアを「巨大な市場」とみる中国からの旅行者が大幅に増えた。カンボジア観光省は、11年の来訪客数の伸びと、12年1月の来訪客数が前年同月比28%増であったことを踏まえ「今年は少なくとも20%の伸びを期待できる」と予測している。

 ◆経済成長の柱

 カンボジアへの外国人来訪客数は、04年に100万人、07年に200万人をそれぞれ突破して以来、毎年増加している。09年には世界同時不況のあおりで伸び率が前年比1.7%増にとどまったものの、翌10年には回復した。観光産業は、繊維産業と並んで同国の経済成長を支える主要な柱となっている。

 11年の外国人客数を国別にみると、最も多いのがベトナムで61万4090人。外国人客の5分の1を占める。10年の51万4289人から約19%の増加となった。陸続きの隣国であるベトナムからは、長距離バスによる観光客が多い。また、国境のカンボジア側に建つカジノも人気を呼んでいる。

 ベトナムに次いで多かったのは、韓国で34万2810人。こちらも10年の約29万人から約18%伸びている。ただ、伸び率の面では、3位の中国が11年に24万7197人で前年比39%増と大きい。

 日本は第4位で前年比6.6%増の16万1804人。続いて米国が15万3953人(前年比約5.4%増)、ラオスが12万8525人(同39%増)、フランスが11万7408人(同3.6%増)などとなっている。

 ◆洪水響きタイは減少

 一方、タイは隣国ながら第8位で11万6758人。前年比では約22%減少している。これは、11年後半に同国を襲った大洪水の影響とみられる。タイ、カンボジア両国は、国境の世界遺産プレアビヒア寺院などをめぐり政治的に対立することが多く、カンボジア人出稼ぎ労働者の搾取など、経済格差の大きさから国民感情も不安定だ。11年には親カンボジアのインラック首相が就任して観光産業でも関係改善が期待されたが、大洪水が障壁となったようだ。

 観光統計によると、カンボジアを訪れる外国人客の平均滞在日数は6.5日。6日前後の滞在日数は政情が安定し始めた00年以降、あまり変化していないが、全体的に長期化する傾向にあるようだ。これに伴い、ホテルの稼働率も66.2%で、じわじわと上がってきている。

 目的地は、世界遺産アンコール遺跡があるシエムレアプが全体の56%を占め、前年比で約23%増。首都プノンペンへの外国人客は約6%増と微増にとどまった。プノンペンは、経済や商業の中心地として成長しているが、行楽地や観光地は少ない。(カンボジア情報誌「ニョニュム」編集長 木村文)




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