2012年7月31日火曜日

■ふたを開けると五輪会場はがらがら―入場券入手は困難なのに


ふたを開けると五輪会場はがらがら―入場券入手は困難なのに
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2012年 7月 30日  8:58 JST

 【ロンドン】多くのロンドンッ子はこの1年間余りロンドン五輪の人気競技の入場券が入手できないとぼやいていた。しかし28日に競技が開始されてみると、人気競技の水泳、体操などの会場にも目障りなほど空席が目立った。


空席が目立つ体操女子の会場で席を与えられたイギリス兵士(29日)

 どうしてこうなったのか。企業スポンサーや国際スポーツ連盟などプライムチケットの保有者のせいだ。加えて、メダル争いになる本選前の予選についてはメディアが取材に殺到しないことも影響している。

 その結果28日午前中、男子体操の予選が行われた体操会場のースグリニッチ・アリーナでは、観客のいない区画が目に付いた。スーパースターのマイケル・フェルプスが出場した水泳予選会場のアクアティックス・センターですらそうだった。

 いら立ちを募らせたのは観客だけではなかった。28日午後には、インドのテニス・プレーヤーのマヘシュ・ブパシ選手がツイッターで、「私が明日出場するテニスの試合を妻に観戦させるため入場券を購入しようと四方八方手を尽くしているが、まだ手に入らない。会場はがらがらなのに。ばかげたことだ」と憤まんをぶちまけた。

 ロンドン五輪組織委員会のセバスチャン・コー会長の29日の記者会見で、英国人記者が男子体操会場の空席を写した写真をふりかざして、空席だったのは誰の席かと追及する一幕もあった。コー会長は、五輪は始まったばかりであり、五輪で空席が目立つのは新しい現象ではないと釈明した。その上で、組織委は予備の入場券を軍や学校に配布しており、空席の問題は五輪期間中ずっと続くものではないと強調した。

 五輪組織委によれば、五輪の各種競技の入場券は約880万枚で、このうち一般向けに販売されるのは約75%に過ぎない。約12%は各国のオリンピック委員会に配布され、それぞれの国で一般向けに販売される。さらに約8%が企業スポンサーなどに回り、残りの5%が国際スポーツ連盟、国際オリンピック委員会(IOC)、パッケージツアーを組む旅行代理店に割り当てられる。

 さまざまな不満は出ているが、高価格の入場券は今も入手可能だ。ロンドン五輪組織委のウェブサイトでは27日の段階で、男子体操、ビーチバレーなどの入場券が販売されていた。27日夜の開会式の入場券も、開始ぎりぎりまで入手できた。ただし、2012ポンド(約25万円)と1600ポンドのダカット金貨が出せるオリンピック級の財布が必要だった。

記者: Bruce Orwall、Rachel Bachman



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