2012年7月27日金曜日

■販売不振の五輪公式グッズ、公式マスコットやロゴも不評


販売不振の五輪公式グッズ、公式マスコットやロゴも不評
http://jp.wsj.com/World/node_484218?mod=Right_pickfree
2012年 7月 26日  18:10 JST

 【ロンドン】2012年のロンドン五輪で販売される公式グッズは実に1万点と、過去最大規模になることがわかった。主催者側はオモチャから卵用のカップまでがそろうグッズ販売で10億ポンド(約1210億円)を超える売上高を見込んでいる。

 小売業のアナリストは五輪の夢を打ち砕きたくはないが、この数字には懐疑的だ。

 「(その数字に)少しでも近づくようなことがあったら、驚くだろう」と話すのは、小売業情報・コンサルティング事業を展開するカンター・リテールの小売り情報部門責任者のブライアン・ロバーツ氏だ。

 別の調査会社バーディクト・リサーチは、今四半期の五輪関連グッズの販売は1億ポンドと試算している。しかも、公式、非公式、食品などをすべて含んだ上での話だ。

 ロンドンオリンピック組織委員会(LOCOG)は10億ポンドの売上高で8000万ポンドの利益が生まれ、採算のバランスをとる一助となるという。自信の表れか、LOCOGは仮に目標に達しなかった場合、どうなるのかについては言及しなかった。

 グッズのなかには以下のものが含まれる。ユニオンジャック柄のシーツやビーチタオル、1つ約130ドル(約1万円)の限定版テディベア、4種のゴム製アヒル、冷蔵された弁当、カトラリー、オーブン用ミトン、ミニチュア・チューブ・キャリッジ(米訳:地下鉄の電車)レゴブロック、オリンピック・モノポリー、英国代表選手ユニホームのレプリカ、そしてもちろん傘。

 これらのグッズの多くは、溶けた宇宙人に見える公式マスコットの1つ目ウェンロックとマンデビルがフィーチャーされている。ロンドン五輪のロゴが描かれているものもあるが、こちらは明るいピンクのグラスが割れたように見える。

 土産店が並ぶオックスフォード通りの小売業者は、景気低迷のなかにあって、商品広告・販売のプログラムがお粗末だと指摘する。「すべてが高い。観光客が買うわけがない」と、ある土産店の経営者は言う。この店の販売高は昨年以降、60%減少したという。この経営者によると、五輪Tシャツは20ポンドと、普通のTシャツの2倍以上で、やはり売れていないという。

 五輪グッズを扱う多くのオンライン通販業者は27日夜の開会式すら始まっていないのに、すでに最大50%オフで五輪グッズを販売している。

 また五輪グッズのほとんどが海外で作られたものだ。

 LOCOGとその提携業者は数字の公表を控えたが、販売は「順調」にいっており、五輪期間中にピークをつけると予想していると話す。また北京五輪ではどのくらいのグッズが売れたかわからないという。

 LOCOGの小売り販売責任者、サイモン・リリー氏は今月、ハイドパークに新たに開設した特設店舗のオープニングで、10億ポンドの目標は「当初、野心的に感じたが、今は自信がある」と述べた。「5ドルでも500ドルでも、何かしら(買える物が)ある」とリリー氏は続けた。

 問題なのは、購入者は5ドルのほうを好むということだ。アナリストらは、客が安価な商品に関心を示すことで、1000ポンドのサイン付き記念品といった「より高い価値のある商品」が売れるとの希望に水が差される、と指摘する。

 英国の代表選手団はチームGBと呼ばれるが、LOCOGのプログラムとは別に2つのグッズ――サポーター用マフラーとメダリオン――を販売する権利を獲得した。キャサリン妃など人気のある人物がマフラーに描かれているにもかかわらず売れ行きは芳しくない、とチームGBのグッズ販売責任者であるアンディ・ハント氏は今月、述べた。

 ただ、すべてのグッズ販売が失望に終わっているわけではない。ある公式ストアのスタッフは、偽の金でできた10ポンドのミニチュア聖火トーチなど、最も役に立ちそうにないグッズが一番人気だ、と思案顔で言う。

 ミニチュアトーチがペンやフラッシュライトも兼ねていたのかと尋ねたところ、そのスタッフは「まったく何の機能もない。それでもどういうわけか完売した」と言う。

 オックスフォード通りにある公式ストア「ジョン・ルイス」で、観戦チケットは手に入らなかったという米国人観光客のハル・ローゼンフェルドさんとその娘たちは安い記念品を買い込んでいた。

 ローゼンフェルドさんは「この全フロア(の商品)に圧倒されている」と話し、「大きなものは買わない」と続けた。Tシャツやピン、それに10ポンドのロンドンバスを買うようだった。

記者: Alice Speri



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