2012年7月31日火曜日

■【コラム】 日本式栽培の有機農園を経営する中国人女性、開園1年で顧客倍増


【コラム】 日本式栽培の有機農園を経営する中国人女性、開園1年で顧客倍増
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0730&f=column_0730_052.shtml
2012/07/30(月) 16:58

大学の物理教師から有機農家になった、中国人女性の話  後編 

 日本で循環型有機栽培農法に出会い、北京に有機栽培農園「潤田農園」を開いた中国人女性、賽さんに出会って1年。その後の「潤田農園」と、賽さんの目標について伺った。

                      ◇

 ユーザー(お客さま)の国籍は、この1年で変化はありましたか?

 日本人70%、中国人およびその他30%、中国人のお客さまが徐々に増えています。顧客数は倍になりました。

 開園1年以上たち、どのような変化がありましたか?

 堆肥作りが安定して生産確保できるようになったため、土環境がますますよくなりました。また、日本式栽培技術も現地に定着し、効果が明らかになっています。お客様も徐々に増え、経営も比較的安定している状態です。

 将来的にはこの農園をどうして行きたいですか? 展望(夢)は?

 今、潤田農園では野菜の栽培のみを行っていますが、面積と気候的に限界があり、野菜の種類が限られています。よりたくさんの品種の野菜をお客様に提供するために、地域別での作物作りも考えなければいけません。そのための人材育成をメインに考えております。

 また、野菜以外にもお米や果物も作りたいと思っていますが、果物は自分の故郷・新疆(果物栽培には最適の環境)のほうで作りたいと考えています。それと夏野菜と露地野菜の補助農場として密雲県の山中に畑を確保し、ただいま堆肥場建設です。農業を私たち夫婦の一生の共同事業にしていきたいと考えています。その他、中国進出を希望されている日本の農家さんのサポートもできたらと思っています。

 農業分野で日本の民間企業が中国にたいして貢献できることはあるでしょうか?

 日本の物作りの文化は、これからの中国にとっては非常に重要になってくるのではないかと思います。個人的には、日本の農機具屋さんも中国に進出してほしいですし、日本のホームセンターが近くにあってほしいです。中国で農業をやるには物を探すのは大変、物があってもすごく壊れたりして修理に時間かかるという不都合があります。そこで、日本人の皆さんの知恵と技術を生かしていただきたいといます。

 最後に、農業の魅力、無農薬野菜を作ることの魅力を教えてください

 自然とかかわり、4つの季節を肌で感じながら生きること、自ら命を育てて収穫する喜び、また自信を持って食べられるというのは一番うれしいことです。有機農業は人間の心も体も強く支えてくれる、安全で美味しい食べもの自ら作れるというのは、一番の強みではないかと思います。

                      ◇

 1年たち、規模も売上げもますます拡大しているという「潤田農園」。当初は馬鹿にしていた友人たちも、おいしい野菜を食べ、考え方、そして彼女等への見方を変えていったという。説得力のあるものを作っているからこその証だろう。そして、豊かになった中国人が求める“品質”“安全性”が、ここにはある。数元で1カ月プラン480元/月(週/3キロ配達)という価格は、市場価格から比べるとはるかに高いのだが、それでも価値があれば残っていくのかもしれない。

 私は賽さんの話を聞くたびに、なんだかむずむずする。今中国にこういう人がいることがうれしいのと、人生の少し先を行くイキイキとした彼女が、まぶしくうらやましいのだと思う。

 今日本人の一部の人が、例えばサラリーマンが退職後の第二の人生として農家になったり、まったく農業に触れることのなかった若者が、農業の道を選んでいるときく。農業=田舎者のやる仕事という時代から、価値観が成熟した証拠だと思う。広大な国土に13億人が住まう中国にも、同じように色んな人がいて、賽さんのような成熟した価値観をもってキャリアチェンジをする人もいる。

 「日本人はこういうものだ」といえないのと同じように、「中国人はこうだ」とは決め付けられないのは、とても当たり前のことだ。むしろ、人口比でいくと13倍分のぶれ幅があるのかもしれない。写真は畑で獲れた野菜を手にするスタッフたち。左手前が賽さん。(執筆者:中村比早子 提供:中国ビジネスヘッドライン)

・ジャパンバイオファーム http://www.japanbiofarm.com/
・潤田農園 http://www.runtianfarm.com/



0 件のコメント:

コメントを投稿