【コラム】10代を追い出す「19禁」コンテンツ
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2012/12/30 09:41 朝鮮日報
先ごろ行われた韓国大統領選挙の結果をめぐり「世代間の争い」を口にする人が多い。20・30代は民主統合党(民主党)の文在寅(ムン・ジェイン)氏支持、50・60代はセヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)氏支持で固まったというわけだ。朴氏が当選したのは、少子高齢化のあおりで若者層が減り、50・60代の有権者数が増えたことが一因とみられており、世代構成の急速な変化が政治に直接影響を与えている現実が如実に表れた選挙だった。
2012年の大衆文化界も、こうした世代構成の変化の影響を受けた。「19禁コンテンツ」がにわかに目立つようになったことが、その代表例だ。エンターテインメント産業は昔から、若い世代の情熱を糧に成長を続けてきた。中でも、新しいものに対する好奇心とのめり込み度がほかの世代に勝る10代の関心を引くための競争は、常に激しかった。
ところが、最近の大衆文化界は10代に背を向けている。理由は簡単。この世代の人口が急減しているためだ。テレビでは「子どもはあっちに行け」と言わんばかりに「19歳以上視聴可」の等級を付け、出演者の性的なトークを放送する番組が増えた。
ケーブルテレビtvNの『SNLライブ』やMBCミュージックの『ハハの19TV下克上』は、最初から性的なネタを中心に企画された番組だ。地上波も同様だ。さまざまなトーク番組が自ら「19歳以上視聴可」の等級を付け、扇情的なトークをはばかりなく放送している。「夫婦が愛を分かち合うときは、普段と違う場所ですべきだ。台所や食卓でするのがちょうどいい」などといった発言も放送された。
年末の公演市場でも「19禁コンサート」が注目を集めた。今月8日と15日に開催されたエレクトロニックライブ「ロード・トゥ・ウルトラ」と「ナイフ・パーティー」は、会場で酒を販売し、クラブのパーティーのような雰囲気が明け方まで続く典型的な大人向けイベントだった。
女性グループのBrown Eyed Girlsも、24-25日に「トゥナイト37.2度」と題した成人対象のライブを開催し、半裸に近い露出度の高い衣装でステージに立った。公演関係者はタイトルの「37.2度」について「セックスでオルガズムを感じるときの体温」と説明する。また、映画界では今年『ウンギョ』『不倫を待つ男』『カネの味』『後宮:帝王の妾(めかけ)』など、大胆な性描写を盛り込んだ作品が次々に公開された。
心配なのは、10代の子どもたちが楽しめる健全なコンテンツがどんどん減っているということだ。これは、10代をターゲットに結成されたはずの多くのアイドルグループが、見苦しい露出競争で大人の関心を引こうとあくせくしている現実を見るだけでも容易に分かる。「19禁」が見境なく広がり、未成年者が扇情的なコンテンツにさらされる機会が増えることも心配だ。
大統領選が終わり、次期大統領には世代間の和合という課題が与えられた。2013年の大衆文化界も、疎外されている10代の子どもたちをどんな健全なコンテンツで取り込むかが最大の課題になりそうだ。
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