世界最長の京広高速鉄道、GDPを年4000億円牽引―中国
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2012年12月27日 20時59分
2012年12月27日、華北・華中の広大な雪原を発し、霧雨けぶる江南を過ぎ、緑の生い茂る嶺南に至る。このほど開通した北京と広州(広東省)を結ぶ京広高速鉄道のG801号に乗ったところ、窓外の景色はこのように移り変わった。経済参考報が伝えた。
世界で最も営業距離の長い高速鉄道である同鉄道は26日に全線開通し、北京から広州までの時間が約8時間に短縮された。同鉄道は環渤海湾経済圏、中原経済圏、武漢都市圏、長株潭都市圏、珠江デルタ経済圏の5つの経済圏を結ぶもので、沿線地域の経済発展を牽引し、産業の移転を加速させる上で大きな役割を果たすものとなる。関連部門の試算によると、同鉄道の社会経済への牽引作用は毎年300億元(約4000億円)を超えるという。
中国鉄道部科学技術司の周黎(ジョウ・リー)司長は、「京広高速鉄道の開通後は、社会の時間コストが低下し、人々の移動は極めて便利になり、地域の経済社会のバランスの取れた発展に巨大な作用をもたらし、近隣都市との融合が効果的に推進されるようになり、沿線の都市化、工業化、情報化のプロセスが加速する」と話す。
鉄三院と国務院発展研究センターが投入産出分析によって専門的に分析したところ、北京-鄭州(河南省)区間だけでも2030年までに2758億4400万元の社会経済の牽引効果があり、年平均153億元に上ることが予想されるという。
ある専門家によると、鄭州-広州区間には中原経済区、武漢都市圏、珠江デルタ経済圏があり、経済は活発で、規模も大きい。三院と同センターの計算によると、この区間の牽引効果は北京-鄭州区間よりもずっと大きく、150億元をはるかに上回るという。
同高速鉄道は五大経済圏を結び、沿線28都市を8時間経済圏に組み込むものとなる。業界の専門家の予測によると、開通の5年後には沿線各都市の国内総生産(GDP)を年平均3-5%引き上げることになるという。
湖南省長沙市の陳沢琿(チェン・ザーフイ)副市長(同市常務委員会委員)は次のように述べた。かつては列車が通ると黄金が生まれるなどといわれていたが、今はさしずめ高速鉄道が通ると富がやってくる。長沙市は中国で高速鉄道経済の恩恵を最も早く受けた場所であり、武漢と広州を結ぶ武広高速鉄道が開通してからわずか数年で、ターミナル周辺は埃をかぶった郊外エリアや都市・農村の合流地点から、高層ビルが建ち並び、工業・商業経済が発達し、人口が密集した中心都市エリアへと一躍発展を遂げ、数万人分の雇用が生まれた。
京広高速鉄道の沿線各地の政府は、意欲満々で発展計画を立てている。長沙市雨花区の邱継興(チウ・ジーシン)区長の話によると、同鉄道が開通し、上海・昆明(雲南省)を結ぶ滬昆高速鉄道が来年開通すると、長沙市は「12345通勤圏」を形成することになる。武漢まで1時間、広州まで2時間、上海まで3時間、昆明まで4時間、北京まで5時間だ。このような特殊な地理的優位に立脚して、長沙市は高速鉄道のターミナル周辺一帯に全国的な影響力をもつ国際金融センター、会議展示センター、ファッション名産品消費センター、文化メディアセンター、医療保健センター、現代型物流センターを建設する予定だ。特に東部地域への影響力をもつ各センターの建設を目指す。こうして「十里の回廊と百棟のビルを擁し、千億万の価値を生み出す」現代型サービス産業群を形成するという。
開通から3年が経った武広高速鉄道のケースをみると、珠江デルタから長株潭都市群と武漢都市圏への産業移転が促進されている。あるデータによれば、同鉄道は3年間でのべ9000万人の乗客を運び、彬州や衡陽(ともに湖南省)を代表とする湘南地域では、09年から現在までに3000件を超える産業移転プロジェクトが行われ、湖南省全体の約4割を占めた。また、同鉄道の開通後、同省の沿線都市では消費財小売総額が大幅に増加し、省全体の平均水準を大きく上回った。
京広高速鉄道は既存の路線の輸送力も上昇させた。鉄道第三勘察設計院集団有限公司の孫樹礼(スン・シュウリー)総工程師によると、同鉄道の開通により、京広鉄道は旅客と貨物が分離され、既存路線の貨物輸送能力が大幅に向上した。豊台西駅(北京市)から武漢北駅までの貨物輸送能力は約2000万トン増加し、鉄鋼、セメント、ガラスの製造といった伝統産業の発展を支える力強い輸送能力を保障することになった。
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