麗水エキスポ:「予約制続ければ大ごとになると思った」
組織織委員長、予約制中止の背景語る
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2012/05/29 13:00 朝鮮日報
姜東錫・麗水エキスポ組織委員長
2兆1000億ウォン(約1420億円)が投じられた麗水世界博覧会(麗水エキスポ)の会場では、一部の人気パビリオンで入場予約制が実施されていた。だが、早く会場に着いても予約客のため長時間待たされるという不満や、予約が難しいという声などを考慮し、11万人が来場した27日、組織委員会は正午から入場予約制を取り止め、先着順に変更した。同日午前、早々に予約が締め切られると、来場者数百人が組織委の事務所に押し掛けて抗議し、返金を求めた。
入場予約制を強く推進していた姜東錫(カン・ドンソク)組織委員長(74)=写真=は「暴言は当たり前で、胸ぐらをつかまれる係員もいた。交通費の返金や損害賠償を求める来場者もいて、どうしようもなかった。このような事態に早急に対応していなければ、不満を持つ人がさらに増えていたかもしれない」と中止に至った理由を説明した。
「それでも原則を守るべきでは」との質問に、姜委員長は「予約制を続ければ大ごとになると思い、中止を決定した。来場者たちの要求に、これ以上耐えられなかった」と語った。
だが、予約制を中止して以降、パビリオンへの入場を待つ列はさらに長くなり、誰もが不便を感じる状況になっている。姜委員長は「全部で80あるパビリオンのうち、入場予約制を実施したパビリオンは8カ所だけだが、これらを見学できなければ損をすると考える人が多かった。ほかにもたくさんの見所をPRしたが、来場者たちの認識を変えるには至らなかった」と語った。
また「統計から、来場者の3分の2以上が予約文化に慣れていないことが分かった。韓国ではまだ予約観覧制を実施するのは難しいと実感した」と打ち明けた。
入場予約制は、国内で2500万台以上が普及しているスマートフォン(多機能携帯電話端末)と、韓国のIT技術を活用して実施された。インターネットで事前予約ができなかった場合には、会場でボランティアなどの手助けを受けながら予約することも可能だった。それにもかかわらず、予約が難しいと不満を口にする人が多く、最終的に予約制をあきらめざるを得なかったというわけだ。
姜委員長は、人気のパビリオンに人が殺到したり、集団で押し掛けて抗議するなどの行為は、国民の群集心理が強いためだと指摘。「国民の意識を高めるためにも予約観覧制を定着させたかったが、残念な結果になった」と肩を落とした。
一方、システムを見直し、部分的に入場予約制を実施する案については「今から一部のパビリオンで入場予約制を再開すれば、さらに大きな混乱を招く」と否定的な姿勢を示した。
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