執行直前、死刑囚が発した言葉… アイ・ラブ・ニューヨーク 人生最後の1分間
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120523/amr12052303230001-n1.htm
2012.5.23 03:23 [外信コラム]
米オクラホマ州の刑務所で先日取材した死刑執行の様子は壮絶そのものだった。複数の薬物注射によるもので最初、死刑囚の意識を失わせ、次に肺機能、心臓を停止させた。注射から数分の間に息絶えた死刑囚の様子は、今も目に焼き付いたままだ。
死刑囚は数週間前、執行日を最終決定する審理の際に被害者遺族に対し、「今さら謝罪しても遅いだろうか」と発言していた。模範囚で「尊敬されていた」(関係者)とも聞いていただけに、処刑前に与えられた約1分の間に当然、遺族に謝罪の言葉が発せられるだろうと思っていた。
だが、謝罪の言葉は全くなく、彼の口から出たのは自分の息子らを励ます言葉だった。人間として、遺族に心からわびることこそが、人生最後になすべき行為ではなかったか。息子らへの言葉はその後だろう。
死刑囚が数週間前に口にしたという「謝罪」は本心からではなく、“命ごい”から出た言葉だったのではないかと思わざるを得ない。37年前、死刑囚が放った銃弾に胸を貫かれ、絶命した被害者や遺族の無念に心寄せるとき、軽々に言葉を発してほしくないと切に思った。37年もの間、死刑囚が生きていた年月は一体、何のためにあったのか。遺族にとっては実に重い歳月だった。
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