留学経験者の採用を避ける日本企業
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2012/05/31 10:42 朝鮮日報
米国の大学に在学している韓国人留学生は昨年基準で7万3350人、日本人留学生は2万1290人だった。日本は韓国の2.5倍の人口を抱えているが、米国の留学生数は3分の1に満たない。日本では外国の大学出身者の就職が難しく、学生たちが留学したがらないためだ。
米紙ニューヨーク・タイムズは29日付で、日本の企業は依然として留学経験者の採用を避けている、と報じた。日本の企業には、組織に忠実で、組織から浮かない人材が適しており、外国の大学の出身者は合わないという考え方が根付いていることが、その理由だという。グローバルな人材を採用しない傾向は、グローバルマインドが求められる金融・文化・サービスなどの業界で、日本が苦戦している状況と無関係ではない、と同紙は伝えている。
同紙によると、日本企業は「外国の大学の卒業生は他人に勝とうという気持ちが強すぎ、同僚たちとうまく付き合えず、離職率が高い」と信じ込んでいるという。東京三菱銀行の人事部関係者は「私たちが求める新入社員は、会社に長く尽くし、一貫性を持って働ける人。短期的な利益ばかりを求める人は望まない」と語った。同行が1年間に採用する社員1200人のうち、外国の大学の卒業生は20人にも満たない。日本企業の人事担当者1000人を対象にしたアンケートでも、外国の大学の卒業生を採用する意向があると答えた担当者は25%以下だった。
日本企業はまた、留学経験者が上下関係の厳しい日本の組織文化にそぐわないという偏見も持っている。英国のオックスフォード大学を卒業したある留学生は、日本企業の面接にはきはきした態度で臨んだところ、面接官から「どうしてそんなにはきはきしているのか」ととがめられた。また、米エール大学出身の留学生は、日本企業でインターンシップをしていたとき、上司の前で腕組みをしたとの理由で注意された。留学生たちは「日本がグローバル人材を受け入れる準備ができているのか、疑わしい」と口をそろえる。
こうした状況のため、就職活動中の大学生の中には、留学や語学研修経験をアピールすべきかどうか悩む人もいる。米国で1年間語学研修を受けたある学生は「英語力を自慢すれば、面接官にうぬぼれていると思われるため、つらい外国生活をどう乗り切ったのかに焦点を当てて紹介した」と話した。日本のある教育委員会の委員は、日本が留学生を「家を出た子ども」のように見なしているとし「このままでは、日本は国際競争で立ち遅れてしまう」と危機感を募らせた。
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