日本のアニメは今なぜ暴力的で卑猥なのか―中国メディア
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2012年5月29日 19時21分 レコードチャイナ
2012年5月21日、人民網日本語版によると、中国のアニメニュース専門サイト「中国動漫産業新聞網」は日本アニメを分析する記事を掲載した。
日本のアニメに卑猥で暴力的なものが多いのはなぜなのか?これは、バブル状態にある日本のアニメ産業が無秩序になっているためだ。アニメ大国である日本はこれまで同分野で常に世界を牽引し、国民やメディアもそれを誇りとしてきた。しかし、日本のアニメ作品の種類が急速に増加している近年、卑猥で暴力的なものがその主流作品となって溢れている。このような現象に、日本の教育界の学者らは危機感を募らせており、未成年の子供に有害とされるアニメは「不健全なアニメ」と呼ばれている。
1980年代から90年代にかけて、日本では「ドラゴンボール」や「スラムダンク」、「名探偵コナン」など友情や努力、勝利をテーマにしたアニメが次々にヒットし、積極的で建設的な価値観を宣伝する点で、世界レベルの成功を収めた。しかし今では、日本を代表するアニメ雑誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)に、人が殺されるシーンや性的描写のない号はないといっても過言ではなく、連載されている作品の半分以上が暴力または性的描写を売り物にしている。一方、そのような不健全な描写が比較的少ない「週刊少年サンデー」(小学館)や「週刊少年マガジン」(講談社)などは売上不振に悩んでいる。東京都が2010年に改正した「青少年健全育成条例」の中では、過激な暴力シーンや性的表現を禁止する考えが明確に示されているが、メディアやアニメファンからの反対圧力も大きく、こうした作品に対しては、政府も結局、見て見ぬふりをする姿勢を取らざるを得なくなっている。
では、これまで積極的で健全な内容だった日本のアニメは近年、どうして卑猥で暴力的になってしまったのだろう。筆者は日本でここ数十年、アニメブームだったことと関係があると見ている。ブームによりバブル状態になったアニメ市場は無秩序になり、作品の過剰供給が上記のような現象をもたらしてしまったのではないだろうか。
まず、アニメ作品の過剰供給がメディア間の悪質な競争をもたらしている。アニメブームに乗っかり、大儲けをしたいと考える人がほとんどで、こつこつと強固なブランドを構築していこうと考える人はいなくなっている。20世紀末、日本のアニメの大部分は読者に受け入れられる作品か数年かけてまず試し、その後初めて商品化するというスタイルをとっていた。それが今では、有名な作家が新作を出すと、すぐに市場に出される。一方、まだ売れていない作家の作品となると、たとえおもしろくても、短期間しかメディアに取り上げてもらえない。そのため、自分の「名前」では作品が売れない作家たちは、「邪道」を選択するしか道が残されていないのだ。
次に、アニメ作品の過剰供給により、読者が目新しいものを求めるようになっていることがある。新作といわれるアニメの大部分はストーリーや画風、テーマ曲などの点で現存するアニメとかぶっている。そのため読者は目新しいものを求めるようになる。それに加えアニメファンの年齢層や受けた教育の程度なども異なるため、より多くの読者を獲得するためには、人が本能的に求めている、性的なものや暴力的なものに訴えるしかないのだ。
最後に、アニメ作品の過剰供給により、メディアが利益だけを求めるようになっている。メディアは新しいアニメのブランドを構築し、関連商品の開発をするため、教育界や保護者の声に耳を傾けたりする時間や体力は基本的にないといっていいだろう。日本のメディアは以前、アニメ作品を「子供たちに人気となるアニメ」と「人の目を引く作品」の2つに絞って売り出していた。しかし、後者のほうがより多くの読者を獲得できることや読者がいなければ広告収入を獲得し続けられないことに次第に気づくようになった。そのため、「健全」なアニメは脇に追いやられるようになり、暴力的なものや性的描写を売りにしたアニメが台頭するようになったのだ。
アニメ作品はかつて日本が誇れる「名刺」のようなものだったが近年、暴力や性的描写がその基調となってしまっている。このような状態を放っておけば、これまで何世代にもわたり古人が必死に築き上げてきたアニメ産業に明るい前途はない。
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