相続増税で高齢者は貯蓄から消費
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2012/8/24 20:18 JAPAN REAL TIME ウォールストリートジャーナル
消費税の引き上げが決まり、次は所得税や相続税の増税に焦点が移りそうだ。今後の相続税に関する議論の行方によっては高齢者の消費動向が影響を受ける可能性がある。
3世代旅行は形を変えた生前贈与か。
民主党の税制調査会が21日、来年度の税制改正に向けた議論を始めた。所得税と相続税の引き上げもテーマとなる見通し。個人消費の中核である高齢者層に消費性向が高い団塊の世代が加わり、増税路線によって消費動向にどのような影響を与えるか注目される。
相続税の改正は、2015年から基礎控除(税がかからない遺産額)を引き下げて課税される人を増やしたり、最高税率を50%から55%に上げたりする案だった。しかし、6月に民主、自民、公明3党で消費増税法案に合意した際、相続増税は法案から削られ、来年度の税制改正で議論することになった。
7月10日に発表された日銀レビュー「最近の高齢者の消費動向について」によると、2000 年代の消費性向上昇のおよそ半分は高齢者数の増加が原因という。みずほ総研エコノミストの大和香織氏は、相続税増税を受け、マクロ経済に影響を与えるほどではないものの「高齢者は貯蓄よりも消費に向かう」との見方を示す。
野村総合研究所(NRI)が全国の40-79歳の男女を対象に「相続に関する実態調査アンケート」を昨年7月に実施したところ、自分の資産の相続に関し遺言などを準備したり、生前贈与を考えたりしている人は依然として少数にとどまった。ただ、生前贈与を行った経験のある人のうち15%が増税路線により生前贈与などを考えるきっかけになったと回答したという。
高齢者の消費で典型的なのが旅行だ。実際、大手旅行会社に聞いてみると、親・子・孫にわたる3世代旅行に関し「シニア層は積極的」と高齢者による費用負担も多いと指摘する。旅行などが形を変えた生前贈与だとすれば、増税対策はすでに始まっているのかもしれない。
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