LCC好調の陰に地方空港のセールス展開
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/13621/?mod=Center_jrt
2012/8/27 19:19JAPAN REAL TIME ウォールストリートジャーナル
格安航空会社(LCC)の利用がすそ野を広げているのに合わせ、地方の空港が生き残りをかけ、航空各社へのセールス攻勢を強めている。
LCCは低価格運賃が消費者に受け、この夏の旅行シーズンは順調な成績を上げている。産経新聞によると、8月10~19日のお盆休み期間中にピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンのLCC3社を利用した人は8万2503人。搭乗率は90%前後で、70%台だった日航や全日空を上回ったという。
LCC各社はさらに新規路線の拡充などで一段の需要喚起に乗り出す。エアアジアは中部空港や北九州空港といった地方空港での発着を検討しているという。
業績好調の背景には、地方の空港による航空会社へのセールス展開が見逃せない。各地の空港は、これまでの陳情攻勢から、コスト削減効果など具体的な数字を挙げながら誘致する「提案営業」に変化してきている。
LCCが就航する空港には観光資源を持つ地方の玄関口としての役割を担うタイプと、都市部のターミナルの代替空港となるタイプがある。後者の成功例が、東京に比較的近い茨城空港だ。茨城空港の場合、現在、札幌、神戸、那覇の国内3路線のほか、上海の海外1路線が就航している。
茨城県によると、リーマン・ショックなどによる景気不振を背景に航空各社が地方路線の整理に乗り出したことから、茨城空港では当時台頭し始めたLCCにも対応できるよう乗客の乗降にボーディング・ブリッジではなくタラップを使うなど経費のかからない効率的な施設を設置した。同空港から東京駅までのバスによるアクセスは、茨城県の支援を受け、片道500円(茨城空港発着の航空便利用者のみ)に押さえることができた。
同時に、中国・春秋航空など中国、韓国、台湾の東アジアの航空会社に対し積極的なセールス活動を展開し、現在は関東圏におけるLCCの重要拠点となっている。
野村総研の副主任コンサルタント、新谷幸太郎氏は「空港は航空会社の路線ネットワーク戦略や就航検討プロセスについて適切な対応をしなければ、新規就航の実現は難しい」とし、関空や中部、静岡といった空港が誘致に積極的と指摘する。
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