韓国で進む財閥離れ 終身雇用は過去のものに
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_527261?mod=WSJFeatures
2012年 10月 10日 20:30 JST Korea Real Time
韓国人は伝統的に「iron pot」として知られる職、つまり、特に政府機関や国営複合企業での終身雇用を求めてきた。
しかし、1990年代後半のアジア危機や2008年以降の長引く景気低迷を受けて、大企業の職の安定はあやしくなり、大手企業は人員削減を実施するとともに早期退職を促してきた。
こうしたシフトや財閥での時折息苦しいような職場カルチャー、もっと冒険をしたいという希望などを背景に、韓国人はかつて重視されていたような雇用主での職を捨てることにより積極的になっている。
最近、新たな挑戦を求めて大企業を去る選択をした4人に話を聞いた。そのうち2人は姓のみを使用してほしいと話した。
Hanさんは韓国最大手の石油精製企業の1社でエンジニアをやっていたが、医者になる決心をした。景気変動の影響を受けやすい業界では予想外の人員削減リスクがあることが主な理由だった。「80歳まで続けられる仕事を望む」と話す。現在は内科医を目指し、医学部の前段階にある。Hanさんは「内科では高齢者の持病に対応することが大半だ」とし、従って高齢化のなかで安定した仕事が期待できると話す。ただ、9年間の医学の勉強には犠牲も伴うという。「まず、4年間結婚を先送りする必要がある。4年すれば少なくとも月給が得られ始めるからだ。また、当初考えた以上にお金が必要だった。そのため、勉強を始めた頃、10年間乗っていた車を売らなければならなかった」という。
現在は漫画家かつ、韓国のある大学のクリエーティブ・コンテンツ学部で漫画について教えているHongさん。20代は地元の複合企業、コーロン・グループに勤めていた。給料は非常によく、職場環境はまあまあだったが、アジア危機の発生とともに状況が変化したという。多くの企業と同様にコーロン・グループも大幅な人員削減を実施した。「知り合いが会社を辞めさせられるのを目の当たりにした」とし、「大企業や公務員といった職はもはや生涯雇用を保証するものではなく、従って人々は本当に情熱があることを懸命に追い求めるべきだ」と話す。現在の給料は前ほど良くないが、大学の職は年金が得られるという。Hongさんは年金を「セーフティーネット」と呼ぶ。さらに、大企業にありがちな厳しい社内競争や大量の仕事、飲みに行く習慣がないこともうれしいという。
Choiさんが韓国最大の保険会社のうちの1社に勤め始めたのは1年も前のことではない。しかし、すぐに職業を劇的に変える決心をして軍隊に入った。保険会社ではつらく厳しい仕事が予想されることに加え、職業軍人に対する魅力的な福利厚生が決断に役だったという。Choiさんは「女性兵士に対する福利厚生計画は非常によく整っている――例えば、長期に及ぶ産休があることなどだ」とし、「大学院で勉強したい人には政府の資金援助も得られる。さらに、軍隊では女性に対する差別がない。(女性にとって)これ以上の職場はないと思う」と語った。Choiさんは少なくとも50歳までは軍隊で働きたいという。家族は彼女の決断を応援している。「実際、最初に軍隊に入ることを勧めたのは母親だった」と話す。
Baeさんは韓国最大の複合企業のうちの1社で金融部門の国際広報責任者だったが、職場環境は魅力的だとは感じられなかった。思い通りの仕事をしたいと思い、PR会社を立ち上げた。「大企業で働くというのは待ち時間が多い」とし、「何をやるべきか指示される。それまで社員はただ待っていることが多い」と語る。Baeさんはまた、大企業は能力主義に欠けることも決断の一因だったという。現在の仕事では、Baeさんは韓国企業と世界のメディアを結び付ける。さらに、ロンドンかニューヨークで韓国の近代レストランをいつか経営したいという夢もある。「起業家であることにより、人生をもっと満喫できるし、人生の混沌とした豊かさを楽しんでいる」という。
記者: Jung-Ah Lee
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