2012年12月20日木曜日

■“外華内貧”寂しい幕切れ ジリ貧だった李明博政権


“外華内貧”寂しい幕切れ ジリ貧だった李明博政権
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121219/kor12121920380006-n1.htm
2012.12.19 20:35

 【ソウル=黒田勝弘】韓国の新大統領誕生で李明博政権の幕が下りる。新大統領就任の2月25日まで任期は残るが実質的には終わったに等しい。5年前、国民の大きな期待のなか500万票もの大差で当選した李明博氏だったが、最後は支持率20%前後という寂しい幕切れとなった。

 李氏は「漢江の奇跡」といわれた韓国の高度経済成長を担った財閥企業の経営者出身。「経済大統領」を看板に「国民に豊かな安定した暮らし」を公約したが、肝心の経済で国民を失望させた。

 世界経済がいわゆる“リーマン・ショック”の後、停滞が続くなか、確かに韓国経済は成長を維持し金融不安も回避できた。「サムスン」「現代」に代表される韓国企業ブランドは国際的に定着し、貿易量は1兆ドルを突破し世界8位となった。

 世界の首脳を集めた「G20会議」もソウルで開催し「世界に羽ばたく韓国」を国際ビジネス社会に印象付けた。

 しかし国内では「勝ち組、負け組」の二極化で格差社会が広がった。不動産景気が消え家計負債が急増。雇用不足で「大学は出たけれど…」と不満が渦巻いている。結局、「財閥ばかり太り国民の財布は薄くなった」というわけだ。

 5年後の大統領選で与野党候補とも「経済民主化」を最大公約にしたのは、経済大統領・李明博氏には痛恨の皮肉だった。

 李明博政権の外交は、日本にとっては竹島上陸、天皇謝罪要求発言など最後になっての反日言動が印象的だ。日本の世論では最悪の政権というイメージだが、全体的には対米関係強化など点数は低くない。特にオバマ米大統領とは親密さが目立った。

 また原発や武器の売り込み、資源確保などで世界を飛び回るビジネス外交も成果を挙げている。

 北朝鮮政策では哨戒艦撃沈、延坪島砲撃など軍事挑発を受け対北安保を強化。「対話と支援」をすべきだという国内圧力に耐え、国際社会の対北制裁に協力した。歴代大統領がこだわる南北首脳会談開催という“誘惑”も振り切った。

 対北政策では頑張った印象が残るが、これも今となっては逆に「南北関係を硬直させた」と批判を受けている。

 李明博政権を総括すれば「外華内貧」となるかもしれないが、日本との関係でいえば、韓流ブームなどで近年、革命的に好転していた日本国民の対韓感情を一気に冷え込ませた罪(?)は大きい。日本生まれで決して反日的ではなかった李明博氏にとっては、想定外の結果だっただろう。




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