2012年12月5日水曜日

■中央道トンネル崩落、県内観光・物流に打撃


中央道トンネル崩落、県内観光・物流に打撃
http://www.shinmai.co.jp/news/20121204/KT121203FTI090030000.php
12月04日(火)

 9人が亡くなった2日の中央道笹子トンネルの天井板崩落事故。3日に実況見分が行われたが、復旧の見通しは立たずに県内の物流、観光などへの影響が懸念されはじめた。高速バス会社などは通行止め区間を迂回(うかい)して運行を続けるが、年末年始に向けて通行止めの長期化による打撃も心配されている。

 同トンネルの前後は上下線とも通行止めで、事故が起きた上り線は一宮御坂インター(IC)―大月ジャンクション(JCT)間、下り線は同JCT―勝沼IC間。中日本高速道路(名古屋市)は、下り線についても点検の必要があり、規制解除は早くて1週間先としている。

 中央道経由で松本市など県内と新宿(東京)を結ぶ高速バスを運行するアルピコ交通(松本市)。3日午後4時すぎ、松本市で新宿行きに乗った川崎市の40代男性は「これからの利用を少し考える」と不安げだった。男性運転手は「普段は乗客が15人程度いる時間帯だが、きょうは4人」。

 松本発の便は3日、中央道を一宮御坂ICで降り、国道20号経由で大月ICに向かうか、河口湖IC経由で大月ICに向かうルートを想定した。ただ、新宿着は普段より30分~1時間遅くなるという。

 松本、飯田市などと都内を結ぶ高速ツアーバスを運行するトラビスジャパン(上伊那郡箕輪町)も同日、都内着が20分~1時間遅れ。夜行バスでは「運転手を2人にする対応も考えなければ」と話していた。

 首都圏からのマイカー客も多い県内スキー場は、影響がより深刻との見方もある。3日に営業を始めた小県郡長和町姫木平のエコーバレースキー場は、利用者の8割が関東地方からで、その大半が中央道経由。初日は例年並みの約100人が訪れたが、古川司所長(49)は「問題は家族連れが集まる土日。時間がかかるのでやめようと考える人もいるはず」と心配していた。

 8日に営業開始予定の茅野市のピラタス蓼科スノーリゾートでも、運営会社の担当者は「復旧が年末年始までかかると本当に大打撃」。関越道沿線のスキー場に利用客が流れることを懸念した。

 物流への影響も大きく、県トラック協会(長野市)は3日、約530の会員事業所に迂回路を文書で連絡した。

 長距離輸送の7~8割が関東圏向けという南信貨物自動車(諏訪郡下諏訪町)は、長時間運転に備えて運転手のダイヤを大幅に組み直す必要が出てくるとした。急ぎの場合は上信越道へ迂回することもあり、担当者は「経費が増える」。年末年始の物流量は通常時の1・5倍に上り、「この時期はただでさえ交通量が多い。それまでに中央道を復旧させてほしい」と話していた。




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