2013年3月28日木曜日

■中国、またもやアップルにかみつく─外国企業の支配排除が狙いか


中国、またもやアップルにかみつく─外国企業の支配排除が狙いか
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2013年 3月 26日 14:20 JST  By PAUL MOZUR

 【北京】中国共産党の機関紙「人民日報」は、米アップルの顧客サービス慣行を厳しく批判した。これは、外国企業による中国のスマートフォン(多機能携帯電話)市場支配に対し、中国政府がその抑止に動く可能性があることを示す最新の兆候となっている。

 25日付の人民日報は1面記事で、アップルが記者のインタビュー取材要請を拒否した上、中国中央テレビが最近行ったアップルに批判的な報道に対し、「空虚で、自画自賛の」対応をしたとして同社を非難した。この記事には、アップルの代表者の発言内容が空虚である様子を描いた風刺マンガが添えられていた。発言は「アップルの声明:空っぽ」と題されている。

 アップルの広報担当者はこの記事へのコメントを拒否した。中国はアップルにとって、米国に次ぐ2番目に大きい市場だ。

  中国国営メディアの報道を基に中国政府の行動を予測するのは難しいかもしれないが、アナリストは、一連のアップル攻撃から、中国政府が国内スマホメーカーの成長を促し、アップルなど外国企業の支配するシェアを縮小させるため、さらなる措置を検討していることがうかがえると指摘している。

  中国メディアを追跡している調査会社Danwei.orgの責任者ジェレミー・ゴールドコーン氏は、今回のアップル批判について「中国のエスタブリッシュメント(支配権力)層の間には、この企業を批判しても大丈夫だという一定の理解があることを意味しており、今後同社にトラブルが待ち受けている可能性がある」と述べた。

 中国の国営メディアはここ1年間、外国企業への批判を強めており、最近では、ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)や米ファストフードのヤム・ブランズ傘下のKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)が標的になっている。

 人民日報の記事やこれに先立つ中国中央テレビのアップル批判報道が、同国で大きな影響をもたらすかどうかは不明だ。

 中国中央テレビの報道は、アップルが保証期間を無視し、他の諸国で採用している慣行と異なる顧客サービス慣行を中国市場でとっているとして同社を批判する内容だった。

 アップルは顧客の懸念を真剣に受け止めていると既に回答した。アップルは23日、同社の中国向けウェブサイトに同社の保証方針を明確化するメッセージを掲載した。電話の修理については、新しい部品を使うが、背面のケースはそのまま当初のものを使うと説明した。また、アップルは90日間の修理を保証し、これは中国の法律が求める30日間よりずっと長いと強調した。

 同社は「アップルの中国における保証内容は、米国や世界中のその他の国々とほぼ同等だ」と説明した。

 人民日報の記事は、アップルは「ダブルスタンダード(二重基準)」だとするある学生の発言を引用した。この学生は、アップルが中国では壊れた電話を修理して顧客に返却するが、米国やオーストラリアなど他の国々では新品と交換していると批判した。

 アップルの中国国営メディアとの相次ぐいさかいは、中国政府が同国のスマホとアプリケーションの業界の規制をさらに強める可能性が高いことを示唆する最中に起きている。最近ではレノボ・グループ、華為技術(ファーウェイ)、それにZTE(中興通迅)といった中国のスマホメーカーが成功を収めている。

 中国の苗圩・工業情報相は25日の会合で、アップルと中国のスマホメーカーを比較し、革新的な製品がいかに顧客を引き付けているかという点で、アップルが優位に立っていると指摘した。しかし、同時に、強力な顧客サービスによって企業が優位に立てる可能性もあるとも述べた。

 中国政府系の調査機関が今月発行した白書は、中国がグーグルのスマホ向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」に依存し過ぎていると指摘し、グーグルがその支配的地位を利用して中国のライバル企業を差別していると批判する内容だった。グーグルはコメントを拒否している。

  中国政府は昨年末、世界貿易機関(WTO)に対し、スマホに関する追加的な試験を義務付けるとともに、企業がソフトウエアのアップグレードの前に政府にその旨通知しなければならないようにする計画があることを表明した。また、同国政府は、ユーザーの身元特定やアプリの利用状況追跡の支援を企業に強制する基準の草案も作成している。



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