中国人記者が「ゆるキャラ」に見たクールジャパン
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0330&f=national_0330_028.shtml
2013/03/30(土) 17:22
2013年3月、中国メディア業界の青年代表団一行87名とともに、中国網日本語版(チャイナネット)の記者が日本を訪れた。滞在期間に気付いたのは、日本のほとんどの会社や組織に(NTTドコモの「ドコモダケ」や警視庁の「ピーポくん」といった)擬人化されたマスコットキャラクターがいることだった。
北海道新聞社を訪問した際、先方はパンフレットと鉛筆、ノートを準備しており、そのすべてにマスコットキャラ「ぶんちゃん」の絵が印刷されていた。ぶんちゃんは三角帽をかぶった笑顔のキャラクターである。北海道新聞社の担当者によれば、このキャラを使った読者クラブを設立しており、それによって購読者のロイヤルティを高めようとしているそうだ。
バラエティ番組で名高いフジテレビでのこと。記者が1階ロビーに入ると、3匹の青い犬のキャラクターが置かれていた。1匹はカメラを担ぎ、1匹は集音マイクを持ち、そして1匹はナップサックを背負っている。彼らはエントランスからすぐのところに立っていた。
日本の47都道府県それぞれに、自分たちのキャラクターがある。日本百貨店協会は、3月20日に始まった日本各地のキャラクター人気投票大会を機に、百貨店の来客数が増えることを願っている。
キャラクターの人気が出ると、知名度が上がってイメージの向上になるばかりでなく、実際に大きな利益をもたらす。(つづく)(編集担当:米原裕子)
熊本県は先日、県キャラクターの「くまモン」関連商品が12年に少なくとも293億6200万円を売り上げたと発表。11年の11.5倍の金額である。「人気キャラクター」のトップに挙げられるこの「萌え熊」は、2112の企業で使われている。
13年1月末までに、くまモン関連商品は8200件に達した。メディアの報道によると、熊本県知事はくまモンの功労が非常に大きかったことを認め、「1年間の宣伝効果は1000億円前後だろう」と述べている。
公の場所に出ることが難しいように思える流行文化だが、日本では政府や民衆の誇りになっている。訪日期間で感じたのは、「クール・ジャパン」という言葉がすでに政府や民間で広く受け入れられ、肯定的な評価を受けているということである。
米国のジョゼフ・ナイ教授が提出したソフト・パワーの概念は、国家の総合的国力は経済力や軍事力といったハード・パワーだけにとどまらず、文化的な魅力も重要であり、それは政治的価値観への共感や外交政策などによって表現できる。
ナイ教授は、ソフト・パワーが効果を発揮するのには自らの魅力にかかっており、他人がしたくないことを強制することでは決してないと論じている。
ただし、ソフト・パワーも宣伝が必要だ。「ブランド国家論」も、イメージや名誉は国家の戦略資産であり、管理を通じて国家イメージを作り、観光や貿易、唐詩、援助、人材といった海外資源を吸引するというものである。
今回、もっとも啓発的だったのは、日本も「クール・ジャパン」というスローガンによって自己の国家ブランド戦略を打ち出しているということである。21世紀に入り、アニメやマンガを代表とする「クール・ジャパン」は言葉として日本国内外の世論や知識界で盛り上がっているだけでなく、日本政府の政策分野に国家戦略として根付いてきているようだ。
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