2012年1月30日月曜日

■商戦期ですら家電量販店や電脳街で閑古鳥の中国


商戦期ですら家電量販店や電脳街で閑古鳥の中国
幼児から老人まで全世代がオンラインショッピング!?
http://diamond.jp/articles/-/15873
2012年1月27日 

家電・デジタル製品で
リアル店舗に元気がなかった冬商戦

 クリスマス商戦期だが国美電器に客は少ない 中国でクリスマスから新年にかけては、10月の国慶節に続く商戦期となる。繁華街の多くのデパートやショッピングセンターが、ポイント倍増キャンペーンや購入者に同店舗で使えるクーポン券をプレゼントするキャンペーンで客寄せをする。レストランが最も元気で、アパレルショップもまあまあ元気だが、この冬は家電量販店や携帯電話ショップの元気がなかった。

 消費者が家電やデジタル製品に関心がないというわけでもなければ、先立つお金がないわけでもない。オンラインショッピングで最安値で購入したいがために、リアル店舗離れが起きているのだ。ポイントもあるにはあるが、日本のポイントシステムほど洗練されておらず、消費者にとって魅力的には映ってない。

 また行儀の善し悪しはさておき、家電に関しては、日本で最近よく聞く「リアル店舗で見て、ネットで購入する」客も少ない。この点については蘇寧電器や国美電器の店員の接客がしつこい上に、商品数は店の広さの割に多くなく、様々な商品を体験してチェックすることができないためだ。

 逆の例として、過去に上海を中心に展開した「ベストバイ」は、日本の家電量販店同様に多種の商品を展示。店員につきまとわれることなく商品に触れることができたので、客入りはよかった。もちろん電器製品という商品の性質上、服の試着に比べれば利用する必然性は低い。

 「淘宝網」(タオバオ)が運営する人気オンラインショッピングサイト「淘宝商城」。クリスマスや年末はキャンペーンを実施 調査会社「易観国際(Analysys International)」によれば、中国のBtoCオンラインショッピングサイト(日本でいえば楽天やAmazonのような、企業対個人のサイト)のユニークビューアー数は、多い順に、「淘宝網」のBtoCサイト「淘宝商城」(日本でいえば「ヤフーオークション」のポジション)が1億超、続いて家電やデジタル製品に強い「京東商城」が5000万超、3位グループに書籍に強い「当当網」「Amazon中国」、アパレルの「凡客誠品」が続く。全ジャンルに強い淘宝網も含め、最もオンラインショッピングで人気の製品ジャンルは、家電やデジタル製品だといえる。

 中国といえば品質の悪いニセモノ問題が常にある。中国人の日常生活においても、気を抜いたらすぐに掴まされてしまうため、彼らにとっても身近で大きな問題である。そのため従来のヤフーオークションのような、売り手がどこの誰なのかわからない「淘宝網」での取引は、リスクの低い安価な商品が中心で、テレビや白物家電のような価格の高い大型家電との相性は悪かった。

 中国の瀋陽と天津に進出したヤマダ電器はさっそくオンラインショップも開設 かといってメーカーのオフィシャルサイトでの販売は、確実にホンモノが届くものの、さして安くないことから利用者は少なかった。そこへ、去年から知名度が急上昇した、著名企業が販売するBtoCショッピングサイトの登場で、いよいよ大型家電の販売の主流もリアルの量販店からオンラインショッピングに移行したのである。


オンラインで売れる理由
――現代中国の「家族構成」

 中国のオンラインショッピングを語る上で、重要なライフスタイルについて紹介したい。中国では都市部であろうと、家族の絆は昔ながらに日本よりも強い。働き盛りの世代とその一人っ子、それに定年退職して高い年金を貰う(夫婦どちらかの)両親の5人が、3LDK以上100m2を超える家で住むのが一般的だ。高齢者の年金と、社会人の給料を足し算し、家族の財布で支出するということが一般的なのだ。

 この記事を読んでいる読者なら「80後」「90後」という言葉を知っている人は多いだろう。それぞれ80年代生まれ、90年代生まれを意味し、つまりは20代、10代とほぼ合致する。80後は、いや厳密には70年代中盤以降に生まれた世代はネット世代として注目されている。逆に言えば70年代前半以前に生まれた人は、ネットもパソコンも利用できない人が多い。

 晩婚化している中国の都市部においても、このネットが使える新世代が学校を卒業し社会人になった。額の大小はさておき稼ぐようになり、結婚して子どももできた。今年はネット世代が、3世代住宅の真ん中に立っているのだ。彼らが親の代わりにネットでいい物を捜し、ネットで安く購入する傾向がますます強くなっているというわけだ。

 去年どころか一昨年になってしまうが、オンラインショップで電卓のようにシンプルな老人向け携帯電話が飛ぶように売れた。中高年の間で口コミで広まったためだが、実際に購入したのは中高年自身ではなく、若いネット世代が親孝行として捜して買ってあげたのである(その財布は家族の財布ではあるのだが)。


子ども世代もすでに
ネットショッピング予備軍!?

 中国の子どももスマートフォンを使い始めた 一方、子どもに対しては、ノートパソコンのような形状の子ども向け学習機や、防犯機能も備えたシンプルな子ども向けの携帯電話が売れている。またネット世代の親がスマートフォンやiPadをはじめとしたタブレットを購入し遊んだ結果、その親の背中を見た子どもがスマートフォンやタブレットで遊び出しはじめた。

 挙げ句にリッチな家庭の子どもが集まる幼稚園では、スマートフォン・タブレット向けの著名ゲーム「AngryBirds」や「Zombies vs Plants」が園児の間で会話されるようになり、周辺の幼稚園ではそれらゲームのグッズまでが売られるようになった。

 シンプルな子ども向けケータイ こうした状況であるため、子ども用に、ないしは親子兼用でスマートフォンやタブレットを購入する家庭も登場している。もちろん勢いで買うのではなく、ネットで賢く安く購入するケースも多い。近い将来、ある学校や幼稚園で小学生や園児がノートパソコンをカバンに入れることが当たり前となるようなら、親は全力で、ネットで最良最適の製品を探しだし購入することだろう。

 このように、1年前に比べればBtoCオンラインショッピング利用者が増え、なかでもデジタル製品は利用者が多い。数年前に比べれば、社会人や1児の親になったネット世代がぐっと増えて、親のため子のために店頭でなくオンラインショップでいい物をより安く購入する消費者が増えた。良いモノを良い価格で中国市場にリリースし、なおかつネットでうまくPRすれば、一般向けデジタル製品だけでなく、幼児向けデジタル製品だろうと老人向けデジタル製品だろうと、ネットで売れる時代が到来したのである。



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