2012年1月28日土曜日

■【時視各角】“ブランド品”大韓民国


【時視各角】“ブランド品”大韓民国
http://japanese.joins.com/article/744/147744.html?servcode=100&sectcode=120
2012年01月27日11時55分 [ⓒ 中央日報]

  シャネル2.55バッグがまた値上がりする見込みだ。最高級品は600万ウォン(約40万円)台だったが、来月は700万ウォン台になる。これが伝えられると、バッグの購入を考えていた人が殺到し、一部の店舗では品切れになった。このバッグは昨年春にも値上げを控えて買いだめが発生した。バッグを買いにパリに行く人もいる。現地では韓国で買うよりも200万-300万ウォン安いため、飛行機チケット費用が浮くとして‘シャテク旅行’とも呼ばれている。

  ひし形のキルティングにチェーンがついたこのバッグは誰が見ても実用的ではない。コンパクトとリップスティック、財布ほどを携帯する‘貴婦人’には合うのだろうが、スマートフォンだの、タブレットだの、あれこれ入れて持ち歩く最近の多くの人々には不便だ。それでも、いわゆるうまく嫁いだ女性をいう‘清潭洞(チョンダムドン)夫人’の必須アイテムに浮上して以来、このバッグへの情熱は日々、激しさを増している。数年前までは裕福な家庭の嫁入り道具と考えられたが、最近では標準的な嫁入り道具に浮上し、需要が爆発的に増えている。このため企業が毎年値上げしても、現地より数百万ウォン高くても、飛ぶように売れる。

  ブランド品業界の立場では、韓国は非常にやりやすい市場だ。売れる量も世界2、3位レベルで、高いほどよく売れるため、好きなだけ高価政策をとれる。このように韓国人が‘カモ’になっている市場はブランド品のほかにもある。ゴルフとワインもそうだ。最近、米国のUSAトゥデイは米国のゴルフ産業基盤が揺れていると報じた。ゴルフ場の会員券と住宅は爆弾セールをしても売れず、破産するゴルフ場も増えた。景気低迷よりも根本的に趣味生活が変わったためだという。さらに経営事情がまだいいゴルフ場は韓国人が多く住む地域と伝えられている。この地域のゴルフ場経営者は「韓国人がいなければゴルフ場の経営は難しい」と述べたと、同紙は伝えた。

  実際、6年前にニューヨークにいる友人から「最近ゴルフをする人は肉屋と韓国人だけ」という話を聞いたことがある。当時、ニューヨークのいわゆるオピニオンリーダーといわれる人たちの週末の趣味は、ゴルフからヨットやクルーズに移っていた。ところが、一度始めれば最後まで没頭する気質のためか、韓国人は斜陽化する米国ゴルフ産業まで支えるほど相変わらずゴルフに時間とお金を注ぎ込んでいる。

 ワインに対する韓国人の情熱と献身は韓国人の味覚や文化を考えると理解しがたい部分だ。1990年代末、ある友人から「ワインを勉強しろ」と言われ、ワインの本1冊を贈られたことがある。友人の話では、すでに日本ではワインが大衆化してピークが過ぎ、韓国のトレンドセッターの間ではワインマニアができ始めたということだった。すなわち、韓国でもワイン人気が広まるため、近い将来、会話に加わるためにも勉強しなければいけないという話だった。しかし当時はこの話を聞き流していた。「果実酒は頭が痛くなる…」といって避けていた。ワインも好きになれず、強い酒を楽しむ民族がなぜ果実酒なのかという考えもあった。ところが数年後、「頭が痛い」と言っていたその人たちが高価なワインを開けながら品評し始めた。韓国は一躍、世界ワイン業界の大きな市場となった。最近の中央日報の調査によると、韓国では世界平均小売価格より2.3倍ほど高くワインが販売されている。それでもみんな買って飲むほど人気の酒だ。

  ある人はこう話す。ブランド品、ゴルフ、ワインに対する執着と献身は国民所得2万ドル台の文化的現象であり、日本も同じだったと。暮らしが良くなったことを誇りたく、物質的、外的なもので表現する虚偽意識ということだ。ところが韓国の2万ドル時代はとても長い。最近の傾向では抜け出すのも容易でなさそうだ。なら、いつまでブランド品、ゴルフ、ワインの時代にとどまらなければいけないのか。「1955年に作られた2.55バッグが本当にそれほど美しいのか」「ゴルフに使う時間はもったいなくないのか」「ワインが本当に口に合うのか」。今、こうした意味ある質問を自らに投じてみる時期になっているのではなかろうか。



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