2012年1月30日月曜日

■韓国  大企業の外食事業撤退、政府に白旗を揚げる理由


韓国  大企業の外食事業撤退、政府に白旗を揚げる理由
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/30/2012013001184.html
2012/01/30 10:56

 韓国政府と政界による大企業たたきに財界が対応を急いでいます。李明博(イ・ミョンバク)大統領が今月25日、大企業のオーナー2世、3世が経営するパン店の実態を調査するよう指示すると、サムスンは翌日、報道資料を発表し、ホテル新羅が製菓・コーヒーショップ事業から撤退すると発表しました。ホテル新羅は李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長の長女、李富真(イ・ブジン)氏が社長を務める企業です。

 続いて、LGグループから分離したアワホームもスンデ(韓国式の腸詰め)、清麹醤(チョングクチャン=発酵大豆のスープ)の販売から撤退することを明らかにしました。年商1億5000万ウォン(約1030億円)にすぎない事業からの撤退を積極的に公表したのは「わが社の誠意を分かってほしい」とアピールする意図があるとみられています。現代自動車グループも、鄭夢九(チョン・モング)会長の長女でイノーション顧問のチョン・ソンイ氏がソウル市内の現代自動車社屋などで経営していたカフェ「オゼン(OZEN)」の閉店を発表しました。

 昨年7月にも似たようなことがありました。任太熙(イム・テヒ)大統領室長(当時)が大企業によるMRO(消耗品などの調達代行)事業について「大企業のMRO事業は合法を装った地下経済だ」と発言し、サムスン、SKなどが2週間以内にMRO事業からの撤退を発表しました。当時と比較すると、財界は政界の声により敏感に反応したと言えます。

 財界は最近、とても低姿勢です。政界が大企業規制の象徴である「出資総額制限制度」を復活させると言っても、まだ公式な反応を見せていません。同制度は大企業が新規に設立する法人への出資額を総資産の一定割合に制限するもので、財界が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権期からの主張で廃止に追い込んだ制度です。

 財界が身動きを取れないのは、改革を求める政界の勢いが強い上、世論の視線も厳しいことが最大の理由です。しかし、根本的には大企業自らが創業者3世への経営権引き継ぎなど弱点を持っているためです。政界が大企業のアキレス腱に触れる前に、早く動こうというわけです。このため、財界が相次いで白旗を揚げても、それが本気かどうかには疑わしい部分が残ります。



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