2012年1月28日土曜日

■北朝鮮では幹部・漁師・寡婦が一番裕福?


北朝鮮では幹部・漁師・寡婦が一番裕福?
http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00100&num=15752
[2012-01-27 18:38 ]   睦龍載 記者 


脱北者「経済的安定が憧れの対象」…経済力を求める風潮深まる 

北朝鮮では最近、どんな人たちが「イケてる」のだろうか?過去には出身成分の良い労働党員が幅を利かせて人気が高かったが、最近は持続した経済危機の余波で「稼ぎ」が良い職業の人々の人気がますます高まっている状況だ。

このような現実は、配偶者を決定する際にそのまま反映される。出身成分の良い幹部でも、経済力がなければ人気がないということだ。住民たちの間で2000年代に入り「3ブが一番裕福だ」という言葉が生まれたのも、このような状況が反映されたものだ。

いわゆる「3ブ」とは、幹部・漁師・寡婦を指す言葉だが(朝鮮語でこれらの言葉が全て「ブ」で終わる)、1990年代半ばから続く経済難の中でもずっと安定した生活を送っており、住民らの間で憧れの対象になったためだ。

まず幹部らは、地位の上下を問わず、住民の全般的な生活にどれぐらい直接的な影響を与えうるかによって「稼ぎ」が変わる。

脱北者らによると、現在の北朝鮮住民は、密輸や不法商売などの違法行為を行わない正常な経済生活だけでは生き残ることができないほどに生活が苦しい。そのため、法律関係の幹部に日常的に賄賂を贈り、親密な関係を形成しなければならない。

取り締まりが行われる場合には、処罰を免れるために幹部らに巨額の賄賂を提供することもある。恵山市出身の脱北者は「最近は密輸・貿易を監視して取り締まる党・法律関係の幹部らの人気が高い」と話した。

楽な職場に配置されたり、良い大学に進学するためにも、関連幹部に賄賂を提供する場合がかなり多い。職場の配置や大学進学に対する権限がない幹部でも、賄賂で担当者に影響力を行使することが可能だ。受けた賄賂の一定額を抜き、担当者を再び買収するといった具合だ。

北朝鮮当局の承認下で合法的な漁業活動をする漁師は、稼ぎが良い職種に分類される。当局で策定した上納量のみ満たせば余分の水産物は事実上、自己の所有になるため、漁獲量に応じて相当な富を積むことができる。

そのため漁師たちは、できるだけ多くの時間を漁業活動に費やしながら、かなりの富を蓄積してきた。船を数隻所有している人も相当数に上ると伝えられた。海岸地方では、屈指の人気の高さだ。
昨年6月に脱北した黄海道海州出身の女性は「最近は船乗りたちの人気が絶頂だ。以前は漁師といえば『船野郎』といって人間の扱いも受けなかったが、最近は稼ぎが良い『船様』と呼んでいる」と語った。

夫を亡くした美貌の女性たちも「イケてる」階層に属する。もちろん、このような女性たちが社会的に脚光を浴びるわけではない。単に経済的に安定した生活をしているという点で「3ブ」に属しているというのが脱北者たちの説明だ。

元山出身で昨年に脱北した女性は、「配給制が崩壊し経済が苦しくなるとともに、家長を失った女性たちは彼女らなりの自己救済策として幹部たちと付き合い始めた。比較的容姿が優れた人の生活は幹部に劣らないほど安定した生活をしている」と話した。

この他にも、公・非公式で貿易系で働いている人々も北朝鮮では憧れの対象だ。貿易系で働く従事者は、合法であれ違法であれ自分たちが直接、金を手にすることができるため、才能がある人材に分類されるからである。

アン・チャンイル世界北朝鮮研究センター所長は、「国家レベルでの配給が行われていなく、自分たちの生存のために過去とは異なり「経済力」を求める傾向が激しくなっている。北朝鮮社会で貿易関連従事者たちの選好度が高いのは、北朝鮮の厳しい経済難を表している」と述べた。

続いて「張成沢の親姻戚が対外分野で勤務するように配置されたことからも、北朝鮮社会で貿易関連の仕事がどれだけ好まれているか知ることができる。また、外部と貿易を行う系統の地位が多額の金を引き入れることができる、いわゆる「おいしい」職業であるいうことを傍証するものだ」と付け加えた。



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