2012年5月6日日曜日

■「世界のクールなレストラン50」に韓国のビュッフェ

「世界のクールなレストラン50」に韓国のビュッフェ
キム・チホ氏がデザイン、盆唐の「ナムス」
昨年は韓国のデザイン賞を総なめ、天井に巨大な鍾乳石のような照明を配置
照度の低い光で動線を表示
リニューアルオープンしたハミルトンホテル別館も話題に
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/06/2012050600047.html
2012/05/06 06:57


ビュッフェレストランといえば、何となく雑然としたイメージが思い浮かぶ。動線が複雑に入り組んでいて、皿を持った人同士がぶつかりやすい。韓国料理、中華料理、イタリア料理など、多国籍料理が一度に提供されるため、視覚的にも雑然としており、自然と室内のデザインも乱雑になりやすい。そのため、日本料理店や洋食店のような単一の料理を提供するレストランがデザイン賞を受賞することは多いが、ビュッフェレストランがデザイン賞で話題を呼ぶのは珍しい。

最近韓国のデザイナーがデザインした国内のビュッフェレストランが、ドイツの世界的な芸術書籍出版社「テヌース」による『世界のクールなレストラン』に登場した。同書籍は、デザインが優秀な世界のレストラン50店を紹介している。

掲載されたのは、インテリアデザイナーのキム・チホ氏(44)=チホ・アンド・パートナーズ代表=が昨年手掛けた、京畿道城南市盆唐のビュッフェレストラン「ナムス」だ。昨年、韓国空間デザイン大賞と韓国室内建築家協会(KOCID)ゴールドスケールアワード、建築専門誌『AN NEWS』が選ぶ「今年輝く建築デザイン賞」大賞を総なめにした話題の店だ。

「市場のような雰囲気をなくしたかった。ビュッフェレストランも高級な雰囲気を演出できるということを示すため、『選択と集中』の理念に基づいて忠実に表現した」。先日、同レストランで会ったキム代表は、ビュッフェレストランの「乱雑なデザイン」に対する挑戦について、このように話した。イタリアへの留学経験があるキム代表は、このところ産業空間と住居空間の双方の分野で際立った活躍を見せている若手実力派デザイナーだ。これまで主に現代デパート本店、木洞店、新村店のリニューアル、GS建設のマンション「西橋ザイ」の室内デザイン、家具専門店イルムの旗艦店など、数々の大きなプロジェクトを手掛けてきた。

立ち上げた銀色の髪に整ったひげ、人目を引く外見が示すように「つまらないものに耐えられない」デザイナーだ。そのキム氏が、今回は「型を破りたいという衝動を抑えるだけ抑えた」と話す。「ビュッフェレストランは視覚的な要素がすでに多いため、装飾を最低限に抑えるのがキーポイントになると考えました。舞台のようなものを作らなければ気が済まないタイプですが、今回はかなり我慢しました(笑)」

キム代表の独特のアイデアは、天井の真ん中に集中している。レストランに入ると、中心に幅約6メートル、長さ3メートルの巨大な鉄製の装飾が逆ピラミッドの形でつり下がっている。立方体の棒状の鉄製照明約100個を一つずつ天井からつり下げて作った造形物で、まるで洞窟の鍾乳石のようだ。「フューチャーリズム(未来主義)」的な感覚を生かしながら、動線を視覚的に単純化するために考えたアイデアです。中間にアイランド形式で料理を提供する二つのスペースを作り、その上に造形物を飾ってどこから見てもホールの中心が分かるようにしました」

(照明の)トーンダウンも重要な課題だった。多くの料理が並びごちゃごちゃした室内を落ち着いた雰囲気にするため、アッシュグレーや淡い茶色の木や石材で内壁を仕上げ、統一感を出した。照度もかなり低く抑えた。「光」は動線にとっても重要な役割を果たしている。直接照明を使う代わりに、料理が置かれたスペースの下部に間接照明を設置し、自然に動線を表示する指示灯の役割を持たせた。

こうした現代的なデザインには、キム代表の個人的な経験が反映されているという。「イタリアから遊びに来たデザイナーの友人が、素敵なデザインのレストランはないかと聞いてきたが、すぐに『ここ』と言える場所が思いつかなかった。『最近仕事ばかりしているからよく分からない』と言ってごまかしたが、恥ずかしかった」

このような挑戦は、ソウル・梨泰院のハミルトンホテル別館をリニューアルし、今月13日にオープンした産業施設「梨泰院ディストリクト」でも見られた。バーやクラブが入店するこのスペースは、オープンと同時にソウルに住む外国人たちの間で、梨泰院で最もホットな空間として話題を呼んだ。キム氏は東洋と西洋のテイストが混在する空間、梨泰院のイメージをデザインで表現した。韓国の近代建築物に見られる装飾を鉄製の窓枠に施し、パーテーションとして活用した。上部は幾何学的なメタル装飾で飾り、都会的な感覚をプラスするなど、至る所にフュージョン的な要素が盛り込まれている。

キム代表は「韓国を訪れた際にはここに行かなければ後悔する、とうわさになるような商業空間を作り続けるのが夢」と語った。



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