2012年5月1日火曜日

■「八百長資本主義」の中国に迫りつつある経済破綻

■「八百長資本主義」の中国に迫りつつある経済破綻
http://www.news-postseven.com/archives/20120425_104320.html
2012.04.25 07:00 勝谷誠彦 

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。本サイトでは4月20日に配信された12号よりから「勝谷誠彦の今週のオピニオン」を公開する。

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中国は外交での失態である「外患」に加え、大きな「内憂」も抱えることになった。言うまでもなく重慶市のトップであり、「次の次の指導者」をうかがう地位にあった薄煕来の不祥事だ。妻の谷開来はイギリス人の知人の殺害容疑で取り調べられている。(薄煕来は3月16日に重慶市市委書記職を解任)

共産党中央に近いメディアでは薄本人が死刑になるのではないかということまで書き始めた。言うまでもなく、中国のメディアは党の中央宣伝部のコントロール下にある。これほどの要人の運命について迂闊なことは書けるわけがなく、指導部の方針がそちらに向かっていると考えざるを得ない。

薄煕来は革命歌を歌う運動を推進するなど、復古派だった。「国家資本主義」の道を爆走する現指導部とは相いれず、利権を手離したがらない軍に近かった。改革開放派と共産主義護持派のせめぎ合いが、とうとう要人の粛清にまで及んだわけで、かなり深刻な事態と言っていい。そしてこうした「内憂」による国家の体力の低下が、各国の攻勢という「外患」を呼び込んでいると見ていいだろう。

しかし、実のところ中国の指導部がもっとも怯えている「内憂」はまだ起きていないのである。不動産バブルの破裂にともなう、経済の破綻だ。

自由主義諸国と違い「八百長資本主義」を押し進めている中国では、権力抗争はそのまま経済の動揺に直結するのである。






■中国指導者はとにかく資金集め経済繁栄さえさせれば高評価
http://www.news-postseven.com/archives/20111002_32265.html
2011.10.02 16:00※週刊ポスト2011年10月7日号

 今の中国は日本の戦国時代と同じような群雄割拠の状況になっている。地方の市長や共産党委員会書記クラスが非常に力をつけ、互いにしのぎを削っているのだ。翻って中国の指導者が出世する条件とは何か? 大前研一氏が解説する。

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 ルールはただ一つ、経済繁栄することだ。なにしろ、中国の市長は年7%以上の経済成長を継続しなければならず、7%を2年連続して下回ると罰則を受け、3年連続して下回ったらクビになる。

 その代わり、経済成長するためには(犯罪でなければ)手段は問われない。農民から土地を収奪して商業地に変えたり、世界中から企業を誘致したり、それでも足りなければ口八丁で銀行を丸め込んで借金をしたり、とにかく資金を集めてきて経済繁栄さえすれば評価されるのである。

 そういう極めて大きな裁量を与えられているから、市長たちはみんな自分の頭で懸命に経済成長の方策を考えるようになり、それが足し算されて中国全体の繁栄につながっているのだ。

 そして、これは国家リーダーを育成するための仕掛けにもなっている。中国は、地方で実績を残した者が引き上げられていき、最終的に国のリーダーとなる。江沢民しかり、朱鎔基しかり(ともに上海市長を務めた)、胡錦濤の後継者に決定している習近平しかり(福州市共産党委員会書記、福建省長、上海市党委書記などを歴任)である。

 業績を上げ、汚職に巻き込まれず、市民の暴動を押さえ込む。この三拍子揃った人間が、党中央政治局の常務委員として最後に北京に乗り込んでいくのである。





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