2012年5月16日水曜日

■2012年のサムスン、ジョブズを“盗む”

■2012年のサムスン、ジョブズを“盗む”(1)
http://japanese.joins.com/article/137/152137.html?servcode=300&sectcode=300
2012年05月15日16時38分 [ⓒ 中央日報]

このところのサムスンは、これまでアップルが追求してきた感性戦略を連想させる。

  2010年6月、米サンフランシスコのモスコーンセンター。 アップルの創業者スティーブ・ジョブズがiPhone4の公開行事で映像電話機能「フェイスタイム」を試演した。 ジョブズが「世界で最も親しい友人の一人、ジョニーに電話をする」と述べた後、ボタン一つを押すと、アップルのジョナサン・アイブ首席デザイナーが画面に登場した。 iPhoneが人と人をつなぐ‘温かい機器’という点を強調するためのパフォーマンスだった。

  続いてジョブズは新しく制作した広告を見せた。 出張中の夫に娘が自転車に乗る姿を見せる妻、卒業式のガウンを着た孫の姿を見て微笑む祖父、派兵された軍人の夫に胎児の超音波写真を見せる妊婦の妻、耳が不自由な恋人が手話をする姿が映し出された。 場内が粛然とすると、ジョブズはこう語った。 「私たちがこの仕事をなぜしているか、改めて確認させてくれるいくつかの瞬間の一つだ」。

  その3カ月前、2010年3月に開かれたサムスン電子の「ギャラクシーS」発表行事。 申宗均(シン・ジョンギュン)サムスン電子社長(無線事業部長)は「超高画質・超高速・超スリムスマートフォン」を強調した。 現存する最高画質のスーパーAMOLED、厚さ9.9ミリの超スリムデザインをアピールした。 翌年4月のギャラクシーS2発売では「より速く、より鮮明で、より薄くなったスマートフォン」と伝えた。 「現存最高速度1.2GHzデュアルコア」はサムスンの自慢だった。新製品が出る度にハードウェアとスペック(仕様)を前面に出してきたサムスン電子が、今月3日のギャラクシーS3発表では変化した姿を見せた。 申社長はギャラクシーS3を「人のための」スマートフォンと命名し、「スマートフォンがあなたを見て、あなたの話を聞き、あなたを理解する」と述べた。 直観的なユーザーエクスペリエンス、人体工学的なデザイン、感性、自然、スマートながらもシンプル、などの言葉が申社長の口から次々と出てきた。

  誇れるハードウェアがなかったわけではない。 この製品はクアッドコアアプリケーションプロセッサー(AP)を搭載し、スーパーAMOLEDディスプレーなど新技術のハードウェアが数多く適用された。 にもかかわらずスペックは少しの言及にとどめて、さまざまな使用者便宜機能を前面に出した。 これまでアップルが追求してきた感性戦略を連想させる。

  昨年までスペックとハードウェアを商品戦略の核心と考えてきたサムスンが、感性中心に転換した。 無線事業部デザイングループのイ・ミンヒョク常務は「直観を越えて、人が機器を理解するのではなく、機器が人を理解する方向に発展させようとした」と述べた。 瞳と顔を認識して画面が消えない「スマートプレー」、電話機を手で握れば不在中の電話・メッセージを知らせる「スマートアラート」は、ソフトウェアとハードウェアの革新が結びついた結果だ。




■2012年のサムスン、ジョブズを“盗む”(2)
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=152138&servcode=300&sectcode=300
2012年05月15日16時39分 [ⓒ 中央日報]

  ギャラクシーS3はアップルが得意とする感性的な接近、ユーザー中心というコンセプトを‘盗んだ’。 1976年にスティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインとともにアップルを共同で創業したスティーブ・ジョブズは、83年、天才画家パブロ・ピカソの「優れた芸術家は模倣するが、偉大な芸術家は盗む」という言葉を始めて引用した。 翌年はキーボードで命令語を打ち込むのではなく、アイコンをクリックして使用するグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を採用した初のパソコン、マッキントッシュを出した。 GUIはゼロックスのパロアルト研究所(PARC)が初めて開発した。 この技術の価値を一目で感じ取ったジョブズは、これをさらに改善して自分の作品に取り入れたのだ。 ジョブズは06年にiPhoneを開発する過程でも「人類が今までに作ったもののうち最高のものを発見し、それを自分がしている仕事に結びつける知恵が必要」と述べ、ピカソの言葉をまた引用した。 「優れたアイデアを盗むことに、もっと果敢になるべきだ」というジョブズの考え方は、iPod、iPhone、iPadなど「画面をタッチするだけで簡単に活用できる」モバイル機器の登場につながった。

  サムスンの戦略の変化は、昨年末に登場したギャラクシーノートに見ることができる。 Sペンを取り出して「紙に文字を書く」アナログ感性を呼び起こし、初めてスペックよりもユーザー環境を強調した。 圧倒的なハードウェア性能で使用環境の不便な点をカバーし、「スペックが感性」という声を聞いてきたサムスンが、ジョブズの考えを盗んで一段階進化したのだ。 成果はすぐに表れた。 サムスンは昨年、スマートフォン販売量でアップルを抑えて1位になった。 今年1-3月期には携帯電話9350万台を販売し、業界1位になった。 世界で一日に携帯電話を100万台ずつ販売しているという計算になる。 このうちスマートフォンは4450万台で、アップル(3510万台)とスマートフォンの2強体制を構築した。

  アップルは今年1-3月期、携帯電話企業の収益の73%を占め、依然として圧倒的な実績を出している。 しかしサムスンも26%を占めた。 両社の利益を合わせれば、業界全体の99%に達し、名実ともに2強体制を形成した。 残り1%をLG電子・HTC・モトローラ・ソニーなどが激しく競争する状況になった。 世界1位だったノキアとスマートフォンの強者だったブラックベリー、新興企業として注目されたHTCは後退した。

  サムスンが機器ではなく人に焦点を合わせた背景は何か。 サムスン電子側は「サムスンのスマートフォンは最高の仕様は基本で、ここからよりいっそう発展させるためには、使いやすくすることが必要だった」と述べた。 ハードウェアだけでは競争で優位を占められないという意味だ。 すでにファーウェイ・ZTEなどの中国企業も「世界初」「世界で最も薄い」各種スマートフォンを出している。 イ常務は「使用者のライフスタイルと追求しようとする価値、日常生活におけるすべての接点での経験を考えてデザインしなければ競争力を維持することはできない」と語った。



0 件のコメント:

コメントを投稿