日本メーカーでも「好み」に大きな差、中国のデジカメ市場
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0725&f=column_0725_015.shtml
2012/07/25(水) 08:51
中国インターネット調査 コンジョイント分析(ACA)の事例 第4回
(1)日本のデジカメは中国で好まれているか
世界で高いシェアを誇る日本のデジタルカメラ。キヤノン、ソニー、ニコンの3社を合わせると世界シェアの約5割を占めるという。
では、中国では果たしてどうなのだろうか。日本メーカーに優位性はあるのだろうか。
中国消費者のデジタルカメラに対する志向性を把握する調査で、消費者が最も重要視しているのが「ブランド」であることが明らかとなった。また、ブランドのなかでは「キヤノン」が最も好まれており、次いで好まれているブランドは「ソニー」と「ニコン」であることが分かった。なお、「サムスン」は4番目となっている。
一方、「富士フィルム」や「パナソニック」「オリンパス」「カシオ」といったブランドは、好みの度合いを表す数値「効用値」がマイナスとなっており、相対的に「選好度が低い(好まれていない)」傾向があることを示す調査結果となった。
これは、中国消費者に対するインターネット調査で、コンジョイント分析(ACA)の手法を通じて割り出された調査結果。2012年6月に行われ、有効回答数は435人。サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が企画、設計、実査した。
なお、コンジョイント分析は、いくつかの特徴を組み合わせたプロファイル(仮想の商品)を回答者に提示し、比較検討してもらう調査手法。属性の重要度を直接尋ねるアンケート方法と異なり、実際の商品選択により近く、信頼性の高い結果を得られやすい。
調査によれば、デジタルカメラに関する各属性の重要度は次のようになった。
ブランド:16.36
ズーム:15.70
価格:15.53
画素数:14.52
ボディー:14.38
液晶モニター:13.37
モニター機能:10.13
この調査結果から、中国人消費者がデジタルカメラを比較検討する際、「ブランド」を最も重視し、次いで「ズーム」「価格」「画素数」「ボディー」を重視する傾向があることが分かる。
(2)日本ブランドに明暗、中国人消費者が好むデジカメメーカー
次に、「ブランド」の効用値(好みの度合いを表す数値)について詳しく見てみよう。
「キヤノン」の効用値は33.7333、「ソニー」の効用値は27.5917、「ニコン」は19.2882。また、「サムスン」は5.5440となった。これら4社の効用値はいずれのプラスの値となった。
一方、「富士フィルム」「パナソニック」「ペンタックス」「カシオ」「オリンパス」の効用値はいずれもマイナスの値となっている。
コンジョイント分析においては、効用値がプラスの場合、「より好まれている」ことを表し、マイナスの場合は「より好まれていない」ことを表す。
つまり、日本のメーカーの中でも、「キヤノン」「ソニー」「ニコン」のデジタルカメラは「より好まれている」が、「富士フィルム」「パナソニック」「ペンタックス」「カシオ」「オリンパス」は「より好まれない」傾向があるという結果になっている。
(3)中国人消費者の好みは高スペックへ
今回の調査結果の中で注目すべき点は、「画素数」「ズーム」「液晶モニター」といった属性(項目)において、効用値の最大値と最小値の幅(差)が比較的大きくなっていること。効用値の上下の幅が大きいことは、「画素数」の大きさや「液晶モニター」のサイズの違いによって、商品の魅力が大きく変わってくることを意味する。
今回の調査の中で、効用値の幅が最も大きくなった属性は「画素数」。「画素数」の大きさの違いは、中国人消費者にとって、デジタルカメラの魅力を大きく左右する要素であることが分かる。
さらに詳しく見てみると、「2000万画素以上」の効用値が最も高く、33.8606。「1600-2000万画素」の効用値が22.0008、「1400-1600万画素」が5.3704となっており、ここまでがプラスとなった。一方、「1200-1400万画素」と「1200万画素以下」の効用値はマイナスとなっている。
この調査結果から、中国人消費者は「画素数」が高いデジタルカメラをより強く求めており、「1200-1400万画素」以下に対しては相対的にネガティブな感情を持っていると読み取ることができる。
「ズーム」「液晶モニター」に関しても同様のことが言え、中国人消費者がより高スペックのデジタルカメラを求めていることが伺える。
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