2012年8月3日金曜日

■五輪に沸くロンドンが「ゴーストタウン」化。短期的な景気浮揚効果の予測に疑問符

五輪に沸くロンドンが「ゴーストタウン」化。短期的な景気浮揚効果の予測に疑問符
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35797
2012.08.01(水)(2012年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)Financial Times

世界中がロンドン五輪に沸いているが、都心部は例年よりも閑散としている〔AFPBB News〕
オリンピックがロンドンの都心部に「ゴーストタウン」効果をもたらしている。

通常であればロンドン市内の小売店やホテル、劇場などに足を運ぶはずの観光客がいなくなってしまったためで、オリンピックが短期的な景気浮揚効果をもたらすという事前の予想に疑いの目が向けられている。

オリンピックを見にロンドンを訪れる外国人観光客は10万人に達しており、過去のオリンピックでの実績を上回っている。しかし、ロンドンでは普通の年でも推定30万人の観光客を見込むことができ、これに比べれば見劣りする。

人通りの減少により特に大きな打撃を受けている業種の1つに、劇場が挙げられる。

劇場はガラガラ、観光名所も来場者数が激減
「全くひどいありさまです」。ナイマックス・シアターズの最高経営責任者(CEO)、ニカ・バーンズ氏はこうこぼす。「私の6つの劇場にとって、先週は今年最悪の週でした。確かにオリンピックはすてきだと思いますが、私は何だかアーチェリーの的にされているような気分ですよ」

バーンズ氏の会社がウエストエンドで経営する劇場6館ではこの夏、チケット販売額が30%減るだろうと同氏は見ている。

ロンドンでは、主だった博物館や観光名所も影響を受けている。主要な観光スポットで構成される英国観光名所協議会(ALVA)によれば、ここ2週間の来場者数は前年同期比で30~35%減少している。

ALVAの代表を務めるバーナード・ダナヒュー氏によれば、大英博物館やロンドン塔をはじめとする会員は「行列ができるケースがいつもより少ないこと、開園時間が延長されていることなどを宣伝して、この減少の埋め合わせに努めている」という。

ロンドンの地下鉄や道路網を管理している公的機関、ロンドン交通局(TfL)はここ数カ月間、交通が著しく混乱する恐れがあると警告し続けている。

駅のプラットホームでは、交通機関に「大変なプレッシャー」が加わるから注意してくださいという、ボリス・ジョンソン・ロンドン市長自らのアナウンスが先日からとどろいている。TfLによれば、7月30日の乗降客数は通常よりも4%多かった。

「ロンドンはアクセスしやすい街です」
予約の出足が鈍いことから、ホテルは値引きに乗り出した。Hotels.comの調べによれば、オリンピック開催期間中の宿泊料金は6月中の2週間で約25%下落した。

屋根のないオープンバスのツアーを主催しているゴールデン・ツアーズの幹部ニック・パラン氏は次のように語っている。「この夏の商売はあがったりだ。ホテルは今年に入って宿泊料金を大幅に引き上げていた・・・うちは20%超の減収だよ」

ダナヒュー氏によれば、ALVAはTfLに対し、利用者へのアドバイスを次のような内容に変えるよう申し入れたという。「ピークの時間帯や駅を避けている限り、ロンドンは驚くほどアクセスしやすい街で、ちゃんと営業しています」





■ロンドン中心部は五輪不況「ゴーストタウン化」
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2012/news/topic/1/20120802-OYT1T01144.htm?from=main2
(2012年8月3日08時05分  読売新聞)

 【ロンドン=末続哲也】五輪開催中のロンドンで、市東部のメーン会場一帯の盛況ぶりをよそに、市中心部の商店街や観光地は客足が激減し、関係者から悲鳴が上がっている。宿泊費高騰で外国人客が減ったうえ、市当局や地元大衆紙が五輪に伴う混雑を盛んに警告してきたため、地元客も中心部を敬遠しているためだ。

 「五輪が始まると、客足が半減し、売り上げは6割ダウンした。五輪特需を期待したが、これでは五輪不況だ」。市中心部の人気スポット、コベントガーデン市場で土産物店を営むキャッシュ・バスネットさん(30)は嘆いた。同市場で菓子を売るローズ・チュルトンさん(25)は五輪で2割増収を見込んだが、実際は2割減。「混雑を警告しすぎたせいよ」と怒る。

 五輪中の同市の外国人客数は1日当たり平均で、例年の半分の15万人と予想されている。中心部は商店街や劇場、観光名所、タクシーの客数がいずれも数割減。「ゴーストタウン化した」(英紙)とまで言われる。市内のホテルの多くが五輪特需を当て込んで値上げし、通常の3倍に値上げした例もあった。さらに市当局や大衆紙が、五輪中に中心部で交通機関などが混乱する可能性を繰り返し注意喚起した。五輪の恩恵を受けるのはメーン会場周辺の一部商店街だけという。



1 件のコメント:

  1. 五輪に沸くロンドンが「ゴーストタウン」化 短期的な景気浮揚効果の予測に疑問符―【私の論評】不況のイギリスでは増税した後で増刷して、さらにオリンピックでも景気浮揚の効果はなくなったというのに、日本ではこれから増税とはこれいかに?
    http://goo.gl/sZEbC
    こんにちは。イギリスでは、増税後イングランド銀行では、大増刷しました。そうして、オリンピックを開催しました。大増刷しても、インフレになるどころか、現状では、オリンピックによる景気浮揚の効果もあまりありません。このような失敗で、増税では税収が増えないということが明らかになったにもかかわらず、イギリスの海の向こうに、デフレ不況なのに、増税しようとか、中央銀行が頑なに増刷拒否の姿勢を崩さない国があります。そうです。それは、日本です。不景気であってもデフレまでは落ち込んでいなかったイギリスですら、増税をして大失敗しているというのに、どうなっているのでしょうか?このような、無益どころか、有害な増税は、イデオロギーの違いを乗り越えて何が何でも阻止しなければならないと思うのは、私だけでしょうか?詳細は、是非私のブログを御覧になってください。

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