2012年8月4日土曜日

■就職難のギリシャ人、大挙してドイツへ


就職難のギリシャ人、大挙してドイツへ
http://jp.ibtimes.com/articles/33654/20120803/788887.htm
記者: NISH AMARNATH、翻訳者: 加藤仁美 | 2012年8月3日 05時54分 更新

 タリア・パラスクバ(Thalia Paraskeva)さん(24)は、ますます絶望的な気持ちになっていた。ギリシャの首都アテネでグラフィックデザインの学位を取得し、一時しのぎの仕事に就きながら何とか生活をやりくりして、さらに良い仕事を探していた。しかし、彼女の就職活動は、フラストレーションの連続だった。

 ある日、彼女はひらめいた。「ゲルマニア」と呼ばれる土地に行けば、きっと幸福になれるという友人たちの話が心に残っていた。さっそくベルリン行きの切符を予約し荷造りをした。ドレス、ジャケット、履き心地のよいブーツ1足、ギリシャ語-ドイツ語の辞書を持って飛行機に乗った。彼女は「アテネよりいいことがあると思った」とドイツの雑誌『シュピーゲル』のインタビューで答えた。

 パラスクバさんは、故郷ギリシャの経済崩壊と就職難と緊縮経済の悪循環から逃れ、ドイツにやってきた、専門的な資格を持つ多くのギリシャ人の1人である。

  ドイツ連邦統計局によると、ヨーロッパ一の経済大国・ドイツに移ったギリシャ人の数は、昨年は2万5300人で90%増加した。ドイツに滞在するギリシャ人の総数は、40万人近い。この数字は2010年のほぼ倍である。

 仕事のないギリシャ、技術者不足のドイツ

 ギリシャ人の若者の50%以上は職がなくて困窮している中で、ドイツには現在、およそ50万の求人があり、およそ7万人の技術者欠員があると報じられている。ギリシャの国内失業率は、欧州連合(EU)の統計機関からの最新データによると、22.5%と非常に高い。一方、欧州全体の混乱が続くにもかかわらず、ドイツの失業率は近年、確実に減少している。先月のドイツ国内失業率は5.4%、ユーロ圏で最低を記録した。

 ドイツは、欧州連合(EU)加盟国に対して国境を越えて就業規則を緩和しているため、求職者にとって魅力的な国である。

 ドイツは、景気後退に苦しむ他の南ヨーロッパ諸国からも多くの移民を受け入れている。公式統計によると昨年は移民がスペインから52%、ポルトガルから28%、イタリアから23%の増加となった。

 移民の大量受け入れは、ドイツが深刻な技術者不足に陥っているためだ。例えば農村地域の公立病院や民間診療所では、訓練を受けた専門の職員が必要とされている。ドイツの医療従事者は、欠員を埋めるために南ヨーロッパの労働市場に注目している。その求人広告もますます活発になっている。



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