<北朝鮮>中産階級の生活をレポート、米国ドラマに夢中になる人々―元英国大使
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2013年2月26日 10時21分
2013年2月22日、中国の人民網は、元・駐北朝鮮英国大使が書いた北朝鮮レポートを掲載した。以下はその内容。
私は06年2月から08年7月まで、英国大使として北朝鮮に赴任するという機会を得た。多くの人が北朝鮮の国民を「指導者の命令で動くロボット」とみなしているが、それは間違いだ。北朝鮮の人々もわれわれ同様、血も肉もある人間だ。子供の学校のことや仕事のこと、どうやってお金を稼ごうかなど、気になることはわれわれと変わらない。さらに北朝鮮の人々にはユーモアのセンスがあり、彼らと一緒にいると飽きない。
私の知っている北朝鮮の人々は、みな平壌出身のいわゆる外交エリートたちだ。しかし政府高官たちとは違い、食べる物も着ている物も良いものではない。住んでいる所は狭いアパートだ。話題は仲間内的なことに限られているが、世間話をしては彼らが知り得た海外の断片的な情報を交換している。
彼らの生活はとても単調。毎日狭い部屋で朝食を取ると、長時間かけて(交通機関がいつも故障しているから)出勤する。仕事はとても暇そうで、ほとんどの時間を同僚とのおしゃべりに費やしている。彼らにとって、同僚と良好な関係を保つのはとても重要なことだ。何か問題が起こった時に助けてくれるのは同僚だからだ。
仕事の他に、彼らは政治会議というものに参加しなければならない。その会議の内容について一度聞いてみたことがあるが、「覚えていない」との答え。きっと外国人には話せないのだろうと1人で納得していたが、ある時偶然に彼らの政治集会を目撃したことで理解した。彼らはウソを言っていない。壇上でしゃべっている人間だけが一生懸命で、聞いている人々はみんなボーっとしている。話の内容など誰も覚えてはいないだろう。
そんな彼らの楽しみは、家族との会話と夜見るテレビだ。人気があるのは映画で、同じ映画がどんなに繰り返し放送されても必ず見る。日曜日の夜に放送される国際ニュースも欠かさず見るという。
彼らの家族は平壌にいるが、親戚の多くは田舎にいる。そのため、常に親戚から薬品や金銭などを無心されるという。私も彼らによく「薬を買ってきてくれ」と頼まれるが、海外のテレビドラマのDVDを頼む人のほうが多い。たらふく食べ、自家用車を持ち、暖房の効いた部屋に住む―彼らが夢に見ている世界が海外のテレビドラマにある。彼らはこうしたドラマに飢えているのだ。私は以前、彼らに米ドラマ「デスパレートな妻たち」のDVD全集を貸したことがある。翌朝、彼らの顔には大きなクマが。彼らは一晩中DVDを見ていたようだ。
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