【仏国ブログ】料理を残すと罰金を支払う日本のレストランに共感
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0227&f=national_0227_006.shtml
2013/02/27(水) 07:43
フランス人のシェフが、自身のブログ「Le Blog des chefs Pourcel」で、料理を残すと罰金を払うルールになっている日本のレストランについてつづった。
筆者は、上質な海の幸を提供している北海道のある飲食店では、「料理を注文したら、残さず食べなくてはならない」というルールに、客が従わなければならないと紹介した。この店では、残飯を良しとしない旨を入り口にも明確に掲げており、「もし自分の前にあるお碗に米が1粒でも残っていたら、罰金を支払うルール」になっていたという。
この店の料理人は、自分のつくる料理が最後まで食べてもらえない場合、一方的に客を責めるわけではないようだ。調理した自分の失敗と考え、食材になった海産物を売ってくれた漁師に対して客が払った罰金を余分に支払うという。
店内のメニューには、日本の漁師の仕事の条件がいかに厳しく、危険なものであるかも書かれ、毎年命を落とす漁師が後を絶えないとの説明もあった。罰金の対象になるのは、客がストップをかけるまでご飯にイクラを盛り続けるという「つっこ飯」と呼ばれる海鮮丼だ。残した場合、客は追加料金を支払わねばならない。
筆者は、このルールによって料理を残す客がいなくなり、一方でコンセプトが人気を呼び、東京で2号店をオープンする可能性が出てきたと紹介。現在まで、「つっこ飯」を残した客はいないという事実に対し、筆者は残飯を減らす良い方法かもしれないと述べた。
フランスでは、よほど敬虔なキリスト教徒でない限り、日本のように「いただきます」、「ごちそうさまでした」というような食べ物に感謝する習慣や言葉はない。また、多くの一般家庭では、残ったものはいさぎよい程にごみ箱に捨てる。そのため、日本人特有の食べ物を大切にするという観点から生まれたこのレストランのアイデアは、とてもめずらしく映ったようだ。
日本はもともと、徹底的に「もったいない精神」を発揮した国だった。例えば江戸の街では、道に落ちている糸くず1本でも、業者による回収対象になっていたという。明治以降も、「使えるものは徹底して使う」精神は引き継がれた。庶民にとって、穴が開いたぐらいで服を捨てるのは「とんでもない」ことであり、継ぎをして着るのが一般的だった。
その「もったいない」精神が揺らいだのが高度成長期だ。「消費は美徳」とばかりに、新しいものを次々に購入し、古いものはどんどん捨てる消費者行動が定着した。
大量消費が経済全体の活性化をもたらすのは事実であり、資本主義にとっては「まことに都合がよい」とも言える。しかし、大量消費が社会全体で肯定されるのは、資源や環境の許容力が十二分にあるという「古典的条件」が成立している場合に限られる。
人類の活動が地球規模に拡大した現在、野放図な消費は、繁栄しているかに見える“現代的社会”を、突然の破局に導く可能性すらある。日本人が本来身につけていた「物を無駄にしない精神」は、もっと評価され、実行されてよいはずだ。
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