2013年3月19日火曜日

■【仏国ブログ】「毎回強い影響を受ける」村上春樹の作品


【仏国ブログ】「毎回強い影響を受ける」村上春樹の作品
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0319&f=national_0319_006.shtml
2013/03/19(火) 10:23

 フランス人女性が、ブログ「LE VOYAGE DE LOLA」で日本人作家・村上春樹についてつづった。

 筆者は村上春樹についてまずは、1949年生まれの作家、翻訳家、日本文学の教師であり、マラソン走者、猫とジャズ、クラシック音楽の愛好家という側面も持ち、現在までイタリア、ギリシア、アメリカでも生活をしてきたと紹介した。

 作品については、常に並外れた出来事が起こり、現実との境界線の向こうにあるパラレルな世界を追求するようなシュールレアリスム(超現実的)的な一面があると説明。また、繊細な人物像が登場し、人間的な猫やクラシック音楽が登場するという特徴を分析した。

 やや意外なことだが筆者によると、外国人作家の中でも村上春樹の大ファンだというわけではないという。しかし、「その作品を1度読み始めると、本を閉じることができなくなる」と紹介。ファンではないにしろ、村上作品を高く評価していることを“告白”した。

 ただし、村上作品にも“困ったこと”があるという。まず、読み始めると泊まらないので「夜眠る時間が短く」なってしまう。どうしても、昼間はぼおっとしてしまうだろう。そのせいか、起きていても「作品内の登場人物や物語、場所や音楽の一片(と自分)が共存しているかのような錯覚におちいる」という。

 やや“危ない状態”とも思えるが、筆者がいかに村上作品のとりこになってしまうのか、正直なところを示したのだろう。

 村上作品が持つ、「読者に対する影響力」の説明はまだ続く。筆者自身は「幽霊や精霊、神でさえ信じない」という。ところが村上作品を読むたびに「自分がが拒絶するような世界へと誘われてしまうような気になる」、「読後は、自分の存在意義がゆらぐかのようだ」という。

 筆者は「今日の自分があるのはルネ・バルジャベルというフランスのサイエンス・フィクション作家の作品を読んだからだ」と説明。極めて強い影響を受けたが、「村上作品からも、これと同様の感覚を味わったと」
いう。

 筆者によると、これまで読んだ村上作品は『国境の南、太陽の西』、『1Q84』、『海辺のカフカ』だ。『ねじまき鳥クロニクル』、『ねむり』『神の子どもたちはみな踊る』については、急いで読みたいと表明した。

 フランスでは、2006年に『海辺のカフカ』の翻訳本(フランス語タイトル:『Kafka sur le rivage』)が発売されたことで、村上春樹は根強いファンを獲得た。2012年には『1Q84』三部作が出版された。現在ではすでに、好きな日本の現代作家として村上春樹を挙げるフランス人が珍しくなった。

 なお『1Q84』という小説名は、1949年に出版され、フランスでも話題になったイギリスの作家・ジョージ・オーウェルの『1984年』が連想されるようで、思わず手にとって内容を知りたくなるというフランス人も多いようだ。『1Q84』のフランスでの発表によって、『海辺のカフカ』を知らなかったフランス人も村上春樹の存在を知り、さらにフランスでのファン層が拡大しているといえる。

 昨年にはノーベル文学賞にもノミネートされ、今や「世界の村上春樹」として世界各国で根強い人気を獲得している。同作家の次回作も、フランスだけでなく、世界中のファンがその翻訳本を待望するに違いない。



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