2012年1月23日月曜日

■中国「自主開発」のリニアモーターカー完成、観光路線に導入


中国「自主開発」のリニアモーターカー完成、観光路線に導入
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0123&f=national_0123_235.shtml
2012/01/23(月) 18:59
  
 湖南省株洲市にある中国南車株洲電力機車有限公司で20日、中国が自主開発したリニアモーターカーが完成した。最高時速は100キロメートルの「中低速タイプ」と位置づけられた車両で、湖南省の観光地、張家界と武陵源を結ぶ路線に導入される。中国新聞社が報じた。

 一編成3両で、最大で600人の乗客を輸送する。車両は従来の地下鉄車両より15%軽量化した。1台あたりの価格も地下鉄車両の3分の2程度という。車輪など動く部分が少ないので、維持費用も低減する。風や砂塵(さじん)、雨、雪などの天候時における運行にも適している。

 リニアモーターカーと言えば「高速走行」のイメージが強いが、中国南車が開発した車両は、登坂能力の大きさが特徴だ。山や丘陵地帯を走行する際、迂回(うかい)個所やトンネルなどの数を減らすことができ、建設費用を低減できる。車両の開発には航空機の設計技術も大量に取り入れたという。


◆解説◆

 リニアモーターカーとは、地上に並べた電磁石と車体の電磁石の引力・反発力を利用して推進する車両を指す。大別すれば、電磁力で車体を浮上させる「浮上式」と、車体は従来の車輪で支えるが、駆動に「リニアモーター」の技術を使う「鉄輪式」の2種類だ。

 車両が高速走行する場合や急坂を上る場合には空気抵抗や重力に打ち勝つため、大きな推進力が必要になる。従来型の鉄道車両では、「抵抗」がある程度以上大きくなるとモーターなどの回転を伝える車輪がすべり出して、推進力を得られなくなる。

 リニアモーターカーの場合、車体が直接、推進力を得るので、高速走行や急坂の登坂に適している。通常の鉄道車両では、日本の新幹線が線路のゆがみをミリ単位やそれ以下の範囲で調整しているなど、極めて精度の高い保線が必要になる。浮上式リニアモーターカーの場合、通常の高速鉄道ほどの精度は必要なくなる。逆に言えば、「超高速走行」が実現しやすくなる。

 現在のところ、「超高速走行のリニアモーターカー」が営業運転しているのは、独シーメンスなどが開発したトランスラピッドを土台にした、上海リニア線だ。

 日本では鉄道総合技術研究所(JR総研)および東海旅客鉄道(JR東海)が磁気浮上式リニアモーターカーを開発してきた。超電導電磁石を利用する極めて高度な技術を世界にさきがけて実用化する。2027年を目標に、中央リニア新幹線として首都圏中京圏間の営業運転を開始する予定だ。

 「鉄輪式」のリニアモーターカーは車体の高さを低くできる特長を生かすことが一般的。トンネルの断面積を小さく抑えて建設工事費を削減できるので、地下鉄で採用されている。日本では東京の地下鉄大江戸線をはじめとして、大阪、神戸、福岡、横浜で同方式の地下鉄が開業した。中国では北京と広州(広東省)で同方式の地下鉄が走っている。



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