2012年5月8日火曜日

■塾業界で「スパイ」が横行


塾業界で「スパイ」が横行
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/07/2012050700975.html
2012/05/07 10:46 朝鮮日報
 
 ソウル市江南区で学習塾を経営するAさん(36)は、先ごろとんでもない経験をした。競合する塾の関係者が、閲覧するのにIDとパスワードが必要なAさんの塾の監視カメラにアクセスし、授業風景や講師たちが歓談する様子などをのぞき見していたのだ。それだけではない。競合塾の関係者はAさんの塾の受講生約250人の氏名と連絡先が記されたリストをUSBメモリーに保存し、外部に持ち出していたのだ。知人からこの事実を知らされたAさんは「競合塾の関係者は、うちの塾の弱点を知るために監視カメラの映像データを持ち出していた。以前うちの塾で働いていた人から情報(IDなど)を入手したようだ」と語った。

 新学期を迎え、塾の重要な内部情報を外部に持ち出す「学習塾スパイ」が江南の塾密集エリアで横行している。学習塾スパイとは、ある塾から他塾へ転職する際、塾の機密データを一緒に持ち出す講師たちを指す。江南教育庁(教育委員会に相当)の関係者は「ここ1カ月の間に申告された学院(学習塾)法違反の大半が、競合塾の内部情報を抜き取って申告するものだった」と話している。

 こうした学習塾スパイが横行している背景には、2500余りに達する江南エリアの塾同士の激しい競争構造がある。ある塾の関係者は「出生率の低下で次第に受講生が減っている上、皆がこぞって塾経営に参入するため、塾業界では勝者が独り勝ちしている状況だ。弱小塾は生き残りをかけて、さまざまな手段を使っている」と話した。

 江南教育庁によると、江南区新沙洞にある米SAT (大学進学適性試験)受験対策塾では先ごろ、ある相談員が相談者や相談内容の記録をほかの塾に持ち出す事件が起こった。これらの内容を基に、生徒や保護者に成績別の指導方法をアピールするためだ。

 最近では、受講生の情報だけでなく、講師の履歴書や監視カメラの映像、塾長の電子メールアドレスなどの重要情報までをUSBメモリーに保存し、外部に持ち出すケースも少なくない。このほか、受講生のリストを専門に売買するブローカーも登場している。教育庁関係者は「抜き取った情報をマスコミなどに流出させ、競合塾の信頼を失わせて間接的に利益を得ようとする塾もある」と話している。

 塾同士が激しい泥仕合を繰り広げる中で、生徒たちの個人情報が多くの人の手に渡っている。警察関係者は「一度外部に漏れた情報は、さまざまな形でほかに流出する危険性がある。生徒たちの個人情報が犯罪組織に渡れば、振り込め詐欺などに悪用されかねない」と懸念を示している。



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