2012年8月24日金曜日

■【コラム】 米労働者の心配事、給与カットや解雇よりも…


【コラム】 米労働者の心配事、給与カットや解雇よりも…
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0824&f=column_0824_029.shtml
2012/08/24(金) 12:31

 アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年8月22日、アメリカの労働者における心配事に関する調査結果を発表した。それによると正規労働者・パートタイム労働者から成る調査母体においては、「給与カット」や「解雇」以上に「福利厚生カット」が、将来自分の身に降りかかるかもしれない心配事として挙げていることが分かった。4割の人が「近い将来自社で福利厚生のカットがあるかもしれない」と心配している。これら就職先周りに関する心配事はリーマンショック以降急激に増加し、現在でも高止まりを維持している(【発表リリース】)。

今調査の最新版は2012年8月9日から12日にかけてアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女に対して電話による音声通話で行われたもので、有効回答数は492人。正規雇用社員かパートタイム労働者を対象としている。英語以外にスペイン語も用いられ、かけた先の電話の種類は固定電話・携帯電話で6対4の割合。2011年3月の国勢調査に基づいたウェイトバックがかけられている。

 今調査では「自分の働き先で将来何が起きるかもしれないか(ネガティブな事象、つまり心配事)」を「福利厚生のカット」「給与カット」「解雇」「時短(労働時間の短縮)」「会社の海外移転」の5項目挙げ、それぞれ近い将来自分の身のにふりかかるかもしれないか否かを答えてもらっている。

 失業率の高さが問題視される昨今、自分の失業リスクを心配する人が多いイメージがあるが、現在就職済みの人にとっては、その可能性は「比較論だが」低めに留まっている。とはいえ、見方を変えれば3割近い人が「自分は近いうちに解雇されるかも」と心配しており、職の安定度の危うさを思い知らされる。

 一番高い「福利厚生のカット」は実に4割。経営側が会社の財務状態が危うい場合に、もっともメスを入れやすい場所であり、従業員側も「解雇されるよりは」と受け入れる可能性が高い。それゆえに従業員側である今件回答者も「ありうるだろうな」と自覚する人が多いのだろう。また、比較論ではあるが「解雇リスクの低さ」の自認が、消費行動を後押ししていると考えることもできる。

 これを経年別に見たのが次のグラフ(「心配している」人の割合の推移)。

 2008年秋に起きたリーマンショックを受け、各値とも(除く「海外移転」)大きく跳ね上がっているのが分かる。そしてその後、それらの値は高止まりを維持しており、経済状態の回復が本格的ではないこと、企業の経営状態削減のために行う従業員への負担増リスクが高止まりしていることが分かる。

 見方を変えれば、これら「就業者における各リスクへの心配事」が低下してはじめて、2007年の金融危機・2008年のリーマンショックから連なる景気後退局面から脱したといえよう。



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