中国の生産年齢人口が減少、日本を参考にした対策が重要―中国メディア
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2013年1月30日 8時45分
2013年1月29日、中国の生産年齢人口が減少しているが、日本を参考にした対策が重要だと中国メディアが指摘した。
■人口の転換点、生産年齢人口が10年間で2900万人減
中国国家統計局がこのほど発表したデータによると、中国の15-59歳の生産年齢人口の絶対数は2012年に初めて減少し、前年比345万人減となった。
過去長期間にわたり、中国の生産年齢人口は増加を続け、従属人口指数(年少人口と老年人口が生産年齢人口に占める比率)は低下を続けた。生産年齢人口が多く、非生産年齢人口が少なく、中国は多くの人口によるメリットを得ていた。全国人民代表大会常務委員会委員、中国社会科学院学部委員、人口・労働経済研究所所長の蔡●(ツァイ・ファン、●は日へんに方)氏は、「2012年より中国の生産年齢人口は減少を続ける。中国発展研究基金会の発表した報告書によると、2010年から2020年にかけて生産年齢人口が2900万人以上減少する。同時に、従属人口指数が上昇する。生産年齢人口が減少し、非生産年齢人口が増加することで、中国の人口面のメリットが失われる」と指摘した。
■異なる経済成長
蔡氏は、「人口面のメリットが失われ、中国の経済成長のすう勢にこれまでと異なる変化が生じる。潜在的な成長率は、生産力の投入、資本の投入、生産効率の進歩によって決まる。人口面のメリットが失われることで、この3つの面に深刻な影響がもたらされる」と語った。
言うまでもなく、人口面のメリットが失われることで、生産力が減少する。他にも、投資収益率が低下する。蔡氏は、「かつて中国は従属人口指数が低く、生産年齢人口の負担が軽かったため、高い貯蓄率を維持でき、投資の増加が促された。今後はこれとは正反対の状況になる。また、生産力の不足のため、投資収益率の低下という現象が生じる」と分析した。
生産効率の進歩は技術の進歩であり、生産力などの資源配置効率の向上でもある。生産力を生産効率の低い部門から高い部門に移したならば、生産効率が改善される。
蔡氏は、「中国経済の今後の成長は、人口面のメリットが失われるに伴い減速するだろう。第11次五カ年計画期間(2006-2010年)、中国経済の潜在的な成長率は10.5%に達した。これが第12次五カ年計画期間(2011-2015年)には7.19%に、第13次五カ年計画期間(2016-2020年)にはさらに6.08%に低下すると予想される」と指摘した。
■やるべきでない対策
過度な投資拡大による需要増は経済成長率を人為的に引き上げる。蔡氏は「人口面のメリットが失われつつあり、中国経済は今後『減速の関門』を通過しなければならない。我々はすう勢を直視し、これを平然と受け入れ、積極的に対応するべきだ。対策はやるべきでない対策とやるべき対策の二つに分けることができる」と述べた。
やるべきでない対策は、経済成長率の低下をよしとはせず、過度な投資拡大、需要増によりこれを人為的に引き上げることだ。蔡氏は「今後、新たな経済の原動力が提案されるだろう。これには中西部のインフラ整備への投資拡大などが含まれる。中国は過去にその成功例を持ち、手馴れている」と語った。
蔡氏は、「しかし、潜在的な成長率を故意に上回ろうとするこれらのやり方により、生産能力の過剰、インフレ、産業構造の比較優勢の消失、資源不足といった深刻な結果が生じる恐れがある」と注意を促した。
また、「この点に関しては、日本の教訓が参考になる。1950年代から70年代の20年にかけて、日本は低下を続けた。経済もまた、年間平均9.2%の高度成長を実現した。従属人口指数が最も低い水準に達し、この水準を約20年間維持していた際、日本経済の成長率も3.8%に大幅に低下した。政府も民間も経済成長の減速をよしとはせず、さまざまな手段を講じた。金融政策は緩和を続け、財政政策は拡大を維持し、地域発展政策・産業政策・マクロ経済刺激策を大々的に実施した。1990年以降、日本の従属人口指数は上昇を開始し、人口面のメリットが失われ、上述した刺激策が悪い結果をもたらした。深刻なバブル崩壊が発生し、その後は年間成長率がわずか0.85%の失われた20年に陥った」と紹介した。
蔡氏は、「日本の従属人口指数の移り変わりはフライパン型であり、中国はじょうご型で、一定水準を維持した時期が存在しない。これはつまり、中国の潜在的な成長率が日本よりも急激に低下し、中国人もそれをよしとしないことを意味する。潜在的な成長率の低下は恐ろしくない。恐ろしいのは、人々がさまざまな対策を講じ、経済成長率を潜在的な成長率以上に引き上げようとすることだ」と警鐘を鳴らした。
■やるべき対策
潜在的な成長率を上回ってはならないが、改革という手段により、これを科学的に引き上げることが可能だ。
人口面のメリットが失われている今、やるべきこととは、潜在的な成長率を科学的に引き上げることだ。蔡氏は「生産力の投入の面で、潜在力を引き出すことが可能だ。例えば生産年齢人口は今後減少するが、労働参加率を引き上げることができる」と指摘した。
生産効率の進歩の面にも大きな余地が残されている。成熟市場を持つ先進国において、非効率的な「ゾンビ企業」が淘汰される中、効率的な企業はより多くの資源を確保し発展することが可能だ。これにより、経済全体の生産効率が引き上げられる。米国の研究によると、この「創造的な破壊」による生産効率の進歩は生産効率の進歩全体の30-50%を占める。蔡氏は「改革により独占を打破し、中小企業を支援し、企業の平等な競争、強い企業が残り弱い企業が淘汰されることを促せば、潜在的な成長率を引き上げられる」と主張した。
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