2011年11月29日火曜日
■橋下氏圧勝「都構想」神奈川の場合は 東京との“二重行政”課題
橋下氏圧勝「都構想」神奈川の場合は 東京との“二重行政”課題
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20111129/CK2011112902000039.html
2011年11月29日
大阪市長選で前大阪府知事の橋下徹氏が圧勝し、同府知事選でも橋下氏が率いる「大阪維新の会」の幹事長が勝利した二十七日の「大阪ダブル選挙」。橋下氏らが公約に掲げた「大阪都構想」を三政令市を抱える神奈川県に当てはめると、どんな未来図が描けるのか。府特別顧問として、橋下氏を支える慶応大学総合政策学部(湘南藤沢キャンパス)の上山信一教授に「頭の体操」で県と県内政令市の将来像を考えてもらった。
上山氏の基本的な考えは「一国多制度」。横浜市が目指す県と同等の権限と財源を持つ「特別自治市」を含め、各自治体が独自の都市制度を考えればいいという立場だ。
その上で、上山氏が考える神奈川と大阪の違いは「東京からの自立性」だ。
「大阪は東京からお金が回ってこない。自力で稼ぐため、広域のインフラ投資が必要。しかし、府も市も財政が厳しい。両方の投資を集中させないとできない」と、大阪都の必要性を説明する。
一方、神奈川は「横浜や川崎は東京のベッドタウン。空港などの東京のインフラも使える。大阪ほど自立する必要がない。都市戦略は東京と一緒に描いた方がいい」と違いを指摘した。
それを踏まえ、「東京と横浜が競っても、二重行政になる。横浜、川崎両市を東京都に編入し、二十三区のような特別自治区に分割した方が、きめ細かい福祉サービスができる」と、「拡大東京都構想」を唱える。
また、両市の行政区については「出張所のようなもので、権限は多くない。公選首長も議会もない。競争原理が働かず、透明性が低い」と批判する。
一方、横浜、川崎の二大政令市を除いた神奈川県の形について、「実はその方がすっきりする」と強調する。
「静岡、山梨両県の富士山周辺や静岡県の伊豆地方が合併し、新しい観光県になった方が、イメージが上がる。東京とは違う、今よりも特徴のある行政ができる。そういう面白さが、今の神奈川には見えない」と、独自の未来像を描く。
ただ、こうした神奈川県再編の実現性については「大阪が京都に吸収されるような話だから、簡単には実現しないだろう」と、現実的に受け止める。
それに比べ、大阪都については「大阪府民だけで議論すれば済む話。大阪市はなくなるが、府が都に変わるだけだ」と、実現に自信をみせた。
大阪府 特別顧問
上山慶大教授に聞く
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