2011年11月27日日曜日
■洪水影響は1兆バーツ超:GDPの1割、FTI試算
洪水影響は1兆バーツ超:GDPの1割、FTI試算
http://news.nna.jp/free/news/20111125thb002A.html
タイ 2011年11月25日(金曜日)
タイ工業連盟(FTI)のタニット副会長は23日、洪水による経済への影響が1兆1,200億バーツ(約2兆8,000億円)規模に達するとの見通しを示した。国内総生産(GDP)の10.5%に相当する規模だ。自動車をはじめとする製造業や輸出産業、観光業などが深刻な打撃を受けており、産業界はこうした試算を基に政府への支援要請を強めていくものとみられる。
24日付各紙が報じた。特に影響が大きいのは製造業で、4,750億バーツに上る見通し。このうち2,370億バーツは、浸水した中部アユタヤ県とバンコク北郊パトゥムタニ県の7カ所の工業団地に集中している。
同副会長は「約1万工場と、そこで働く66万人が洪水被害を受けた」と指摘。中でも基幹産業の自動車と電気・電子への打撃は深刻で、自動車は30万台の減産、1,800億バーツの減収になると述べた。
輸出額は1,480億バーツの損失となる見通しで、第4四半期(10~12月)は前年同期から10%落ち込むと予想した。商務省が22日に発表した10月の貿易統計では、既に輸出の鈍化が顕在化しており、前年同月比の伸び率は過去2年で最も低い0.3%にとどまった。
■成長率は1.5~1.8%
このほかの分野では、観光が740億バーツ、農業が500億バーツ、小売業・商業が650億~700億バーツの影響をそれぞれ受けたと主張した。
観光業については、当初1,950万人を見込んでいた今年の来タイ客が1,850万人にとどまると予想。政情不安が続いた昨年の1,590万人からは伸びるものの、回復ムードに水をさされた形となっている。
こうした状況を受け、FTIは今年のGDP成長率を1.5~1.8%と予想した。成長率をめぐっては先に、国家経済社会開発委員会(NESDB)が予想を3.5~4.0%から1.5%に、世界銀行が3.7%から2.4%にそれぞれ下方修正している。
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