2011年12月22日木曜日

■四国の観光客9.7%減 4~9月、大震災・高速割引終了響く


四国の観光客9.7%減 4~9月、大震災・高速割引終了響く
http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E3EBE2E1938DE3EBE3E0E0E2E3E39E93E2E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4EB
2011/12/20 6:03

 四国4県の観光への逆風が強まっている。四国運輸局が19日まとめた2011年度上半期(4~9月)の主要観光地入込状況によると、観光客数は前年同期比9.7%減の787万人となった。減少は2年連続で、800万人台を割り込むのは5年ぶり。東日本大震災や高速道路の割引終了などが重なった。10月以降も低調で、各観光地は集客に知恵を絞っている。

 観光地入込状況は四国運輸局が各県の主要15カ所、計60カ所について調査している。一部施設は駐車場などの使用状況から推計して算出した。

 11年度上半期に落ち込んだ最大の要因は3月に発生した東日本大震災の影響。全国的に観光や消費を自粛する動きが広がり、四国にも及んだ。

 特に影響が大きかったのは団体旅行の減少。金刀比羅宮や温泉宿が集積する琴平(香川県琴平町)は13%減の126万人、愛媛県の道後温泉(松山市)は組合加盟旅館の宿泊者数が5%減の38万人となった。

 同温泉旅館協同組合によると、11月も速報値で4.2%減。「震災後に激減した団体客がまだ戻っていない」(後藤雅俊事務局長)と厳しさは変わっていないようだ。

 四国を舞台とする大型テレビドラマが終了したことによる反動も大きい。高知県はNHK大河ドラマ「龍馬伝」の人気を追い風に昨年度の上半期は131万人と現行調査開始以来の最高を記録したが、今年度は一転して21%減の104万人に落ち込んだ。坂本龍馬記念館(高知市、50%減)、桂浜駐車場(高知市、27%減)などで客足が鈍っている。

 愛媛県では「坂の上の雲」第2部終了で坂の上の雲ミュージアム(松山市)などが不振だった。
 もっとも高知県観光コンベンション協会によると、10月の県内主要ホテル・旅館の宿泊客数は前年同月比で13%減だが、09年の同月比では11%増。同協会では「龍馬伝放送前に比べれば増えている。竜馬効果はまだ持続している」と強気だ。

 高速道路料金の割引制度終了も観光客の減少につながった。特に無料化社会実験が実施されていた地域は影響が大きい。内子座(愛媛県内子町)が15%減、足摺海底館(高知県土佐清水市)が28%減となった。休日1000円割引がなくなり、道の駅「渦の道」(徳島県鳴門市)も11%減と落ち込んだ。

 逆風が強い一方で、集客に向けた取り組みも進む。貴重な地質や地形を保護活用する自然公園「世界ジオパーク」(地質遺産)に「室戸ジオパーク」が認定された高知県室戸市では、室戸岬周辺を10月に訪れた観光客は6442人と前年同月比82%増えた。運輸局の調査地点には入っていないが、新名所として国内外にアピールしていく。

 西日本では、瀬戸内海を新たな観光資源として盛り上げようと、各ブロックの広域観光協会が中部~九州までを結ぶ新たな観光ルートの開発を進めている。各地の運輸局や自治体を中心に瀬戸内海クルーズを誘致する活動も始まった。来年のNHK大河ドラマ「平清盛」にも期待が集まる。



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