2012年1月23日月曜日

■人民元両替機、赤色の商品…春節特需に狙い



人民元両替機、赤色の商品…春節特需に狙い
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120121-OYT1T00530.htm
2012年1月21日15時57分  読売新聞

 中国の旧正月に当たる春節(23日)の大型連休(22~28日)で訪日する中国人観光客を対象とした商戦が今週末から本格化する。

 震災直後に激減した中国人観光客も昨秋以降は前年比でプラスに転じており、百貨店や商業施設は呼び込みのためのサービスを拡充している。

 ◆サービス強化◆

 東京・お台場の商業施設「ヴィーナスフォート」では20日、店内の至る所に新年を祝う中国語のポスターが貼り出された。各テナントも中国人が好む赤色の商品を前面に出し、歓迎ムードだ。21~29日は中国語対応スタッフが7人常駐して、中国人客の買い物をサポートする。

 三越伊勢丹はこの期間中、中国や台湾などの店舗会員を対象に、日本国内の店舗で現金払いが5%引きになる割引カードを発行する。伊勢丹新宿本店には、人民元を日本円に両替する自動両替機を12日に百貨店としては初めて導入した。

 高島屋東京店は、手ぬぐいや足袋ソックスなど、外国人観光客向けの土産品の展示コーナーを11日に設けた。売り上げに占める外国人観光客の割合はまだ数%と少ないが、高級ブランド品を100万円単位で購入するなど「大口の利用者が増えている」(広報)という。

 また、ファミリーマートは17日から、国内200店舗で中国人が海外での買い物で多用する「銀聯カード」を使えるようにした。

 ◆「無視できない」◆

 各社が中国人客の取り込みに力を入れるのは、中国人観光客による消費額が急増しているためだ。

 中国銀聯東京駐在員事務所によると、日本国内での銀聯カードの決済額は、今年度は480億円となる見込みで、4年間で12倍に増えた。東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故で一時は中国人観光客が急減した昨年も、銀聯カードの決済額は10月には前年並みに回復し、11月は前年同月比で93%の大幅増となった。

 特に中国人の海外旅行が増える春節期間中の銀聯の決済額は多く、小売業界では「春節は今や無視できない大イベント」(百貨店大手)となっている。百貨店の外国人売上高も昨年は関西から回復し、高島屋大阪店では12月に前年同月比75%増となるなど好調が続いている。

 ホテル代や交通費など、銀聯カード以外の消費も含めると、経済効果はさらに大きくなる。観光庁の調査によると、昨年1~3月の中国人観光客による日本国内での消費額は484億円に達した。今年の春節は「訪日者数は前年比2~3割増」(日本政府観光局)と見込まれ、消費額もそれに応じて増加が期待される。




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