2012年1月23日月曜日

■イタリア大型客船座礁事故 ジリオ島では観光産業への打撃と環境汚染への懸念高まる



イタリア大型客船座礁事故 ジリオ島では観光産業への打撃と環境汚染への懸念高まる
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00215740.html
01/21 18:13

イタリアの大型客船座礁事故は、発生から1週間がたった。非常事態宣言が出された現場のジリオ島周辺は人気のリゾート地で、観光産業への打撃と燃料流出による環境汚染への懸念が高まっている。

コスタ・コンコルディア号は、巨大な船体を横たえて座礁している。
街は大変美しい建物が並んでいて、豊かな自然にも恵まれており、岩肌には鳥が羽を休めている。

イタリア中部・ジリオ島は、人口1,500人余りの小さな島。
透明度の高い海と中世の城塞(じょうさい)都市が残る美しい街並みが人気のリゾート地で、観光が主な産業。

港から目と鼻の先で起きた座礁事故で、住民が最も恐れているのが燃料の流出。
「旅行客が減るのでは」との不安が広がっている。

ジリオ島住民は「この島は夏の観光で成り立っているから、観光客の減少は死活問題よ。燃料の流出なんてことになったら、誰も来なくなる」と話した。

出発直後の事故だったため、船には満タンに近いおよそ2,400トンの重油が残っていて、万が一漏れ出せば、深刻な環境汚染を起こす。

ジリオ島観光局担当者は「もし燃料が流出すれば、この地域だけでなくトスカーナ地方全体の大災害です」と話した。

また、この地方名産の魚介類にも、影響が懸念されている。
鮮魚店の住民は「わたしたちの生活の糧は海。海が汚染されたら、この土地を離れなければならない。そうならないことを祈るわ」と話した。

こうしたことから、イタリア当局は、行方不明者の捜索終了後、直ちに燃料の抜き取り作業を開始することにしている。

船舶救助会社の担当者は「このような景観の美しさを誇る地域での燃料流出は、大きな問題です。これを防止するため、われわれは安全に配慮したうえで、最速の作業を行います」と話した。
事故発生から1週間。

現場周辺には非常事態宣言が出され、行方不明者の捜索は今も続く。
豪華なクルーズ船の座礁事故は、観光を支えとする小さく美しい島に波紋を広げている。




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