2012年1月13日金曜日
■マンガ観光 参加型が鍵
マンガ観光 参加型が鍵
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2012年01月12日
◆「王国建国」 山村高淑・北大准教授に聞く
漫画やアニメでの地域おこしを狙い、県が掲げた「まんが王国とっとり」。10日付の鳥取版で平井伸治知事に狙いを聞いたが、専門家からはどう見えているのか。課題はないのか。「国民」となる私たち県民は何をどうすればいいのか。漫画による地域振興に詳しい北海道大学観光学高等研究センターの山村高淑(たか・よし)准教授(40)に話を聞いた。
――「今年から」というタイミングは
30~40代以下の人々は、アニメや漫画を日常の中で受け入れられる世代。10~20年後には観光産業の顧客の中心になる。漫画やアニメをひとつの地域文化として取り上げていくのは素晴らしいと思う。
――全県での展開については
広域での取り組みには、大きな挑戦が必要になる。漫画やアニメの観光地は作品の舞台になった場所と、作者ゆかりの地の2種類あり、鳥取は後者が多い。他の地域でもやっている「作者が生まれた町にある記念館」だけでは、点のままで、広がりが出ず、ブームが過ぎると人が来なくなる可能性もある。作者との関係だけでなく、「この風景を漫画の中で描いた」とか、「この地域の伝承をモデルにしている」とか、作品自体との関連性も、どれだけ強くアピールできるのかが大事だ。
――漫画やアニメを使えば必ず成功するわけではない。何が大事でしょう
県外から来た「漫画やアニメのファン」を、いかに「街のファン」にするか。それには、地元の人との交流しかない。漫画やアニメのファンは、自分の好きな作品を地域住民も一緒に応援している姿を見て、共感を覚えて街を好きになる。
例えば、アニメ「らき☆すた」の舞台、埼玉県の旧鷲宮町では、地域住民とアニメファ
ンが一緒になり、地域の伝統行事の祭りでキャラクターを描いたみこしをつくって担いだほどだ。
境港市の水木しげるロードもすごい成功だが、ファンが参加できるのは「妖怪そっくりコンテスト」くらいで、ちょっとさみしい。
――地域住民は、どう関わればいいでしょう
偏見を持たず、文化遺産のファンらと同レベルで扱うことだ。観光客が漫画をきっかけに来るなら、受け入れる側も作品を一通り読むべきだ。食わず嫌いで避けるのはよくない。
何に魅力を感じて客が来たのかを知ることは、観光業の基本中の基本。地元の人が作品への理解を示さないと、ファンも嫌になる。
大事なのは、地元の人たちが、いかに観光資源を応援できるか。一番の応援団は地域住民でないとだめだ。「自分たちが世界に作品をPRするセールスマンだ」というくらいの考えを持って取り組んでほしい。
――県は産業への効果としては、今後の人材育成や産業創出を狙っています
観光政策というより、文化政策としては素晴らしい発想。行政が旗を振ってやるのなら、「今後も自分たちの土地から新しい作品を生んでいこう」という視点が良い。
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