2012年3月4日日曜日

■ピーチ期待してるで 関空就航



ピーチ期待してるで 関空就航
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20120302-OYT8T00063.htm
(2012年3月2日  読売新聞)

府民、安さ歓迎/自治体「人集めて」

新千歳行きの第1便に乗り込む人たち(1日午前6時54分、関西空港で、本社ヘリから)
 格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」が関西空港を拠点に就航した1日、多くの府民も真新しい桃色の飛行機に乗り込み、新千歳(札幌)や福岡に飛び立った。ピーチは5年後に600万人の利用を目指しており、関空のおひざ元の自治体からは期待の声があがった。(南省至、諏訪部敦、上田友也)

 ピーチは旅客機を燃費性能の高い小型機に統一してコストを削減し、低料金を実現した。田尻町の会社員井上恭輔さん(35)は、長崎の妻の実家に家族5人で帰省するため、福岡便を1人片道3990円で購入。「普段は5人だとかなりの出費になるが、今回は3分の1程度に収まった。帰省にまた使いたい」と話した。

 座席の指定や飲食は追加料金が求められるが、新千歳便に乗った大阪市淀川区の会社員池田昌義さん(58)は、「サービスで料金が変わるのは当然。お金を払った人とは差別化してくれればいい」と歓迎した。

 一方、座席数が国内大手の同じ機体と比べると多いため、新千歳に向かった泉大津市の会社員女性(30)は狭さに違和感を感じた。「座った後、窓際の人が来た場合、通路に出る必要があり、まどろっこしい」と話した。

 関空を抱える三つの自治体では、期待が高まる。

 泉佐野市の千代松大耕市長は、「関空の起爆剤になる。関空から地元にヒト、モノ、カネを呼び込む仕掛けを考えたい」と語り、田尻町の原明美町長は「関空に人が集まるのではと期待が大きい」。泉南市の向井通彦市長は「関空は国内線が少なくなり、不便になっていた。それを補う形で、大手の隙間を埋めてくれる。国内、国際線の乗り継ぎが便利になってほしい」と話した。

◆関空アジアとの近さ利点 井上CEO

 「ピーチ・アビエーション」の井上慎一最高経営責任者(CEO)に、意気込みを聞いた。

 ――なぜ拠点を関西空港にしたのか。

 「ピーチは座席間隔が狭いので片道4時間が限度。ターゲットはアジアだ。関空は成田や羽田空港よりも1時間、アジアに近い距離にあり、就航できる都市が多い。関西の人口も魅力的。大阪は商売の街、京都は歴史と現代文化が調和した街など、いろいろな個性を持った街が近い距離にあり、売り込めば外国人は大勢来るはずだ。こうしたことから、拠点を関空に決めた」

 ――和製LCC2社が年内に就航する予定だ。価格競争が厳しくなるのでは。

 「これまで飛行機に乗らなかった潜在層を狙っている。想像より巨大な市場なので、深刻な価格競争にはならないだろう。むしろ、複数のLCCが飛ぶことで、LCCへの理解が広がると思う」

 ――系列の全日空など、既存航空会社とも競合するが。

 「我々のターゲットはビジネスマンではない。LCCがすでに普及している国では、仕事で出張の場合は(サービスが充実した)既存の航空会社、家族旅行に行く時にはLCCと、使い分けられている。LCCは簡素な電車みたいなもの。豪華な食事など様々なサービスが必要な人は既存航空会社、そうでなくて、低料金を望む人はLCCに流れる。住み分けはできると考えている」




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