2012年3月11日日曜日

■外国人観光客の味方、赤いジャンパーの案内員


外国人観光客の味方、赤いジャンパーの案内員
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/11/2012031100149.html
2012/03/11 09:39

街を歩きながら道案内、「移動観光案内所」が人気
 
2月5日午後、ソウル・中区明洞で「移動観光案内所」の案内員を務めるチャン・ヘユンさん(赤いジャンパーを着た2人のうち左側)とキム・キョンヨンさんが、地図を広げて日本人観光客に道案内をしている。街を移動しながら外国人観光客を手助けする「移動観光案内所」が、大人気となっている。

 先月5日午後、ソウル市中区明洞の通りでは、週末のショッピングに訪れた市民や外国人観光客でにぎわう中、赤いジャンパーを着た女性2人が日本人観光客に道案内をしていた。大阪から来たアオキさん(44)が「チャン・グンソクが宣伝している化粧品店はどこですか」と尋ねると、赤いジャンパーの女性が「この先の路地を入ると大きな靴屋があります。そのすぐ横にありますよ」と説明した。アオキさんは「ありがとうございました」と言って頭を下げた。


■「明洞名物」赤いジャンパーの女性

 赤いジャンパーの女性は、ソウル市が運営する「移動観光案内所」の案内員だ。外国人観光客に英語、中国語、日本語でソウルを案内する。案内員といえば普通、案内所に座っている人を想像するが、この案内員たちは、観光客が多く集まる街に出て移動しながら道案内をしているのだ。

 赤い「ユニホーム」を着た案内員たちの背中には、手のひらほどの大きさの文字で書かれた「インフォメーション」を意味する「i」と「観光案内」という文字が、言語別に書かれている。現在72人の案内員が明洞、梨泰院、東大門など八つの地域で活動している。日本語の案内員が32人と最も多く、中国語(24人)、英語(16人)の案内員で構成されている。

 この日、明洞芸術劇場の前で案内業務を行っていたチャン・ヘユン明洞支店副チーム長は「明洞を訪れる外国人観光客は、主にレストラン、カフェ、化粧品店の場所)を尋ね(てくる。一日に最大300人の外国人が道を尋ねたり、質問するなど『移動観光案内所』は人気が高い」と話した。案内員たちは、冬には膝まであるコートを着て毛糸の帽子をかぶり、英語、日本語、中国語で書かれたソウル市と明洞の観光マップを持ち歩いている。2人1組で30分から1時間、担当地域を回りながら道案内を行う。

 先日、中国最大の年中行事である春節(陰暦の1月1日)の連休(今年は1月22日‐28日)を迎え、韓国には多くの中国人観光客が押し寄せ、案内員たちにとってはうれしい悲鳴となった。案内員のキム・キョンヨンさんは「明洞には普段、日本人観光客が多く集まるが、春節には中国人たちが2倍以上訪れたようだ。最近は個人で韓国を訪れる中国人観光客も多く、案内員の助けを求めるケースが増えている」と話した。


■喜ぶ日本人観光客

 日本人たちも、1対1で道案内をしてくれる「移動観光案内所」に大喜びだ。2009年から2年にわたり案内員を務めているキム・ヒョンスク明洞支店チーム長は「韓国を何度か訪れたことのある日本人は、案内員のユニホームである赤いジャンパーを見かけると『赤い人!』と呼び止めて、うれしそうにあいさつし、まるで韓流スターにでも会ったかのように写真撮影を頼む人もいる」と話した。

 一方、案内員たちにとって最も難しい質問は「おいしい店はどこか」というものだ。ソウル市に所属しているため、特定の店や団体を勧めることはできない。キム・チーム長は「日本人観光客はたいてい韓国に来る前に、どのレストランや店に行くか計画を立ててくるため、道を案内するだけでいいが、中国人韓国客は『どこが有名なのか』『品質のいい店はどこか』と尋ねてくるので困ってしまう」と話した。このほか、数時間前にタクシーに置き忘れた財布を探し出してほしいと頼んでくる人もいて、冷や汗をかくこともあるという。


■130万人に道案内

 このサービスを始めた2009年には17万人に道案内をした。2010年には58万2183人に増加し、昨年は95万8994人に上った。韓国人まで含めると、130万人が案内員のサービスを利用したことになる。昨年にはNHKと朝日新聞で「移動観光案内所」が紹介された。チャン副チーム長は「週末には明洞の街の半分が外国人観光客で埋め尽くされ、平日は大部分が外国人観光客だ。増加する外国人観光客を見ると、観光の韓流が始まったようだ」と話した。

 昨年7月には、東大門観光案内所に勤める案内員の手助けに感謝した中国人観光客から手紙が来た。ソウル市観光課のソン・ユジン主務官は「当時、ある中国人女性が東大門でショッピングをしている最中に70代の父親とはぐれてしまった。その時、案内員が父親を探し出して再会することができた」と話した。

 仁寺洞を訪れた日本人のホリエ・アキコさん(72)は「このようなサービスは日本にもない。案内員が親切に説明してくれるので、また韓国を訪れたい」と話した。



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