2012年6月26日火曜日

■中国30歳以下の男性、女性より2千万人多い


中国30歳以下の男性、女性より2千万人多い
http://j.people.com.cn/94475/7854935.html
「人民網日本語版」2012年6月25日

 中国ではこの先10年、法定結婚年齢(男性22歳、女性20歳)に達する男性が毎年、女性より約100万人も多くなるとされる。80年代や90年代生まれの男性は、結婚相手を見つけるのが日に日に難しくなっているのだ。中国共産党の機関紙「人民日報」が報じた。

 「言葉が通じなくても大丈夫。一緒に過ごせる」、「3カ月以内に結婚相手が見つかります。1年以内に逃げられた場合はもう1人紹介」。これは浙江省余姚(よよう)市で最近、立ち上げられたベトナム人花嫁を紹介するサイトの宣伝文句。ベトナムのドンダンと接している広西チワン族自治区付近では、ベトナムの女性を花嫁として売買する業者が暗躍しているという。価格も需要が高まるにつれ、1990年代の2-3千元(2万4千-3万6千円)から高騰を続け、現在は5-20万元(60万-240万円)に達している。しかし、結婚詐欺などの事件が頻発。警察は売買目的の誘拐の取り締まりやベトナム人女性の送還などに手を追われている。

 男女比率のアンバランス問題などを研究する専門家の、天津市南開大学・発展研究所の原新教授は、「貧しい地域では女性不足が起こったり、花嫁売買などが行われたりしている。これは、男女比のバランスが崩れたことによる」と指摘している。

 国連の定める基準では、新生児の男女比は、女児100人に対して男児103‐107人と男児の割合が少し高く設定されている。その理由は、男児の死亡率は女児より高く、結婚年齢になると、男女比率はほぼ均等になるからだ。

 一方、中国では1982年に実施された第3回全国人口国勢調査で、新生児の男女比率がアンバランスになっていることが判明して以降30年間、その傾向は深刻になる一方で、08年には男児120人に対して女児56人という過去最悪の数字を記録。中国は世界で最も新生児の男女比率がアンバランスな国の1つとなった。

 中国統計局の人口統計資料に基づき計算すると、中国の30歳以下の男性は女性より2千万人以上多い。そのため、この先10年、結婚年齢に達する男性は毎年、女性より約100万人も多いと試算されている。結婚適齢期に入っている80‐90年代生まれの男性は、結婚相手を見つけるのが日に日に難しくなっているのだ。


 ▽「売れ残り男性」は「売れ残り女性」より深刻な問題

 中国で「剰男」と呼ばれる結婚できない男性は最終的に収入の少ない貧困層に集中するようになり、それが、売買目的の女性誘拐や花嫁売買、性犯罪などを誘発するようになっている。

 中国で新生児の男女比がアンバランスになったこの30年近く、「売れ残り男性」が大量に出現するようになっているが、現在人々の注目はむしろ「売れ残り女性」に集まっている。
 
 この点について、北京大学社会学学部の李建新教授は「情報の釣り合いが取れていないことが原因」と指摘。「新生児の男女比率が長期に渡りアンバランスになることが誘発する社会問題は、大都市ではなく、貧しい農村地域から発生する。これら、貧しい地域は通常、最新の情報などにうとく、『売れ残り男性』などの問題はあまり知られることがない」と分析している。
 
 実際、結婚適齢期の男女比率がアンバランスになっていることに加え、女性が経済力をつけるようになり、男性より女性のほうが裕福というケースが増え、▽農村など貧しい地域の「売れ残り男性」の増加▽大都市の「売れ残り女性」の増加‐‐という2つの現象が起きている。

 李教授は、「実際の結婚問題で、中国では男女カップルの『家柄の釣り合い』を重視するほか、今では『逆玉』や『玉の輿』もある。これを、『甲』、『乙』、『丙』、『丁』で個人の社会的経済地位を表して考えると、甲の男性と乙の女性、乙の男性と丙の女性、丙の男性と丁の女性ということになる。つまり最後に残るのは甲の女性と丁の男性。こう見ると『売れ残り男性』は結婚したくてもできないのに対し、『売れ残り女性』は個人の選択ということになる」と分析している。



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