2012年6月30日土曜日

■韓国 結婚費用:「結婚文化を変えよう」 あふれる読者の声

■韓国 結婚費用:「結婚文化を変えよう」 あふれる読者の声
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/30/2012063000483.html
2012/06/30 11:59 朝鮮日報

「一生かけて必死で3億5000万ウォン(約2500万円)ためました。娘が嫁に行くときに1億ウォン(約720万円)出しました。残りのお金をはたいて息子が結婚するときに家を買ってやりました。子どもたちには『母さんはあなたたちのために何でもしてあげられる』と言いました。でも切ないです。切り詰めて暮らしてきたのに、その結果の影も形もないのです。体は年を取ったのに、何も持っていない20代に戻ったような気持ちです。感情的につらいです。自分はこれまで何をしてきたのだろう。こんなことに使うためにあれほど切り詰めてきたのだろうか。私の人生なのに、自分の取り分は少しもないなんて」(チェ・ヨンヒさん=仮名、59、小学校教諭)

本紙の「結婚費用」シリーズには大きな反響があった。編集局には激励の電話や電子メールが殺到した。紙の新聞の読者180万人以外にも、1000万人以上のインターネットユーザーが、チョソン・ドット・コム(652万人)をはじめ、ダウムやネイトなどのポータルサイトを通じ、この特集記事を読んだ。インターネット掲示板への書き込みは7000件を超え、その大多数が「これを機に結婚文化を変えるべきだ」という内容だった。

最も切実だったのは、結婚適齢期の子どもを持つ50-60代の親たちの声だった。国が貧しかった時代にアリのようにつつましく青春を過ごした世代。
今や白髪となり肩も痛むのに

■早期退職
■長い老後
■子どもの結婚

-という三つの波にのまれ、やっと手に入れたマイホームさえも手放さなければならないという危機に直面している。

特に、息子を持つ親の苦労は大きかった。本紙が結婚情報会社ソンウに依頼し、全国の新婚夫婦310組を調査した結果、結婚費用全体の4分の3を新郎側が負担していた(全体の費用2億808万ウォン〈約1500万円〉のうち、1億5707万ウォン〈約1130万円〉)。
親の財産の規模別に

■全財産5億ウォン(約3600万円)未満
■5億ウォン以上10億ウォン(約7200万円)未満
■10億ウォン以上

-に分けて分析した結果、裕福な家庭も、そうでない家庭も、息子を結婚させる費用は、娘を結婚させる費用の3倍に達していた。

「9年前、夫が交通事故でこの世を去りました。保険金で洋服店(100平方メートル)を開いてしゅうとめを養い、一人息子(30)を学校に通わせました。先日、息子が結婚相手を連れてきましたが、月200万ウォン(約14万4000円)の収入しかないため貯蓄もなく、悩んだ末、店を売って息子に1億ウォン(約7200万円)やりました。残ったお金でローンを組んで、以前の店の半分の広さの店舗を買い、別の商売をしようと思っています。本当に大変ですね。最近は、今までつけていなかった家計簿をつけています。車も手放しました」(アン・キョンオクさん=仮名、53)

新郎、新婦の結婚費用の負担割合は、どのような階層でも3対1だったが、その金額がそれぞれの財産に占める割合は、下の階層にいくほど大きかった。財産5億ウォン未満の庶民の家庭で、息子の結婚に使う費用は、親の財産のうち少なくとも24%(1億2062万ウォン=約870万円)、5億ウォン以上10億ウォン未満の中産層の家庭で使う費用(1億7807万ウォン=約1280万円)は少なくとも18%だった。息子を結婚させるということは、両親が生涯かけて築き上げた生活の基盤を崩すようなものだ。

「ソウル・江北で小さな店を営んでいましたが、今は店を閉めて警備員の夫(64)の月給で何とか暮らしています。今年10月、一人娘が結婚するのですが、ソウル市内のアパート(マンションに相当)は小さいところ(66平方メートル)でも2億ウォン(約1440万円)以上で、多世帯住宅(一つの建物に多くの世帯が暮らせるよう居住空間が分離してある小規模な集合住宅)も1億ウォンでは買えない。20代後半から30代前半に自力で、そのような高額な費用を準備できるサラリーマンがどれくらいいるでしょうか。結婚相手の実家も裕福ではないのに「何とかして家を準備する」と言ってくれました。うちは娘なので、少しは気が楽ですが、相手の親は泣きたいでしょう」(ハン・ヨンヒさん=仮名、59)

読者のパク・ソンヨンさん(仮名、45)からは「最近、子どもを持つ友人と集まると『子どもがいないのは金メダル、娘だけなら銀メダル、息子1人なら銅メダル、息子2人なら木のメダル、息子3人以上なら逆さまの木のメダルだ』と話している」という電子メールが寄せられた。パクさんも重い「木のメダル」をかけた主婦だ。

「私の愛する大韓民国がおかしくなってきているようで、心が痛みます。昔を振り返るべきです。私の婚家はバスも通らない忠清道の田舎です。苦労しながら大学を出た夫と、地下の貸部屋で結婚生活をスタートさせました。高級な装飾品はもらえませんでしたが、夫がアルバイトして買ってくれた細長いサファイアのネックレスが、私にとってはダイアモンドよりもうれしかったです。朝鮮日報と女性家族部(省に相当)が実施している『100組キャンペーン』は本当にありがたいことだと思います」

両家が相談して1000万ウォン前後で簡素な式を挙げ、贈り物や衣装を省略しただけでも、結婚費用は平均3000万ウォン(約220万円)以上節約できる。新婦の両親がこれ以上負担しなくても、新郎の両親がほっと一息つける金額だ。





■結婚費用:「新居は新郎が、という社会通念を変えるべき」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/30/2012063000488.html
2012/06/30 12:00 朝鮮日報

 「会社員の息子(33)に新居を準備してやろうと、住んでいた家を担保に借金しました。それでもうちは夫(62)が技術者で今も中小企業で働いているので、ましなほうです。収入がない友人は、松坡区のマンション(142平方メートル)を売り払って冠岳区奉天洞に息子の家を買い、管理費などが掛からない首都圏の多世帯住宅(一つの建物に多くの世帯が暮らせるよう居住空間が分離してある小規模な集合住宅)に引っ越しました。私たち夫婦もそうするべきではないかと悩んでいます」(読者、チョン・ヨンジャさん=仮名、60)

 老後に備えるべき50-60代が、生涯かけて貯めてきた全財産をはたいて、すでに大人になった子どもたちを結婚させる国が、韓国以外にあるだろうか。毎年上昇する不動産価格が根本的な原因ではあるが「仕方ない」と手をこまねいていては、永遠に問題は解決しない。専門家は「『家は新郎が、衣装は新婦が』という慣習を廃止するだけでも、ホッとする人は多い」という。この慣習がなくならない限り、両家は永久に「体面を保つための駆け引き」を止められないからだ。

 「大峙洞のマンション(142平方メートル)に住んでいました。しかし息子を結婚させるには資金が足りなかったため、マンションを売却して息子の家を買い、私たちは果川(京畿道)に引っ越しました。私たちでもこうなのに、さらに家計が厳しい人たちはどうするのか、想像もできません。息子を結婚させて、ハッと気がついたのは、娘はどうしよう、ということ」(キム・ヨンスさん=仮名、53、中央省庁1級公務員)

 キムさんが売却した大峙洞のマンションは、父親の代から2代にわたって築き上げた財産だった。キムさんは「家は新郎が準備しなければならない」という社会通念に迫られ、2代の汗の結晶を崩してしまった。

 「私たちの世代は息子が欲しかったため、羊水検査を受けて息子を出産しましたが、息子3人を結婚させてみると、息子を持つ親は財力の有無にかかわらずつらいです。新郎の親が新居の準備費用を出してやれなければ、相手の親や息子や嫁に顔向けできません。だからといって無理して家を準備したところで、嫁がありがたがると思いますか? (嫁は)当然のことだと思っています。どれほど寂しく腹立たしいか分かりますか? 娘を持つ母親は婿のポケットにお金がどれだけ入っているか知ることができても、息子を持つ母親は、家を買ってやっても嫁に褒められることはないのです」(チョン・インオクさん=仮名、65)

 問題は、息子を持つ親だけがつらい思いをして終わるわけではないというところにある。ある読者は「新居を準備するために腰が曲がるほど苦労したのに、新聞では『衣装などの贈り物を欲張るな』としゅうとめ側を悪く書いているので悔しい」と話す。そのため、娘を持つ親は「そのお金は子どもたちにやりましょうよ」と言いたいのをぐっとこらえて、皆、寝具や食器、銀の箸やスプーンをそろえ、ブランド物のバッグに多額の現金を詰め込んで婚家に送ることになる。両家の対立は、ほとんどがこの段階で起きる。「ハンドバッグのせいで夜中に母親と息子が大声で泣きわめきながらけんかする家の話も何度か聞いた。誰のためのハンドバッグなのか」(チョソン・ドットコム会員の書き込みより)

 韓国結婚文化研究所のユ・ソンヨル所長(白石大教授)は「挙式の規模を縮小して、贈り物や衣装を省略し、その分で両家が新居の準備費用を分担するというやり方が、一般的な選択となるべきだ。そのためには『新郎側が家を準備すべき』という社会通念を変えなければならない」と話している。



0 件のコメント:

コメントを投稿