2012年6月30日土曜日

■日本の増税法案可決、良薬それとも毒薬か


日本の増税法案可決、良薬それとも毒薬か
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2012-06/29/content_25768975.htm
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年6月29日

賛成票374、反対票84。日本衆議院は6月26日午後、圧倒的多数で消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案を可決した。野田佳彦首相は野党と連携することで政治的駆け引きに成功した。日本の華字紙『新華僑報』が伝えた。

それにしても、増税は一体、日本に何をもたらすのか。増税は日本経済を救えるのか。野田首相が「英雄的救世主」を演じ、政治生命をかけて可決した増税法案は、そもそも一錠の良薬なのか、それとも一幅の毒薬なのか。

まず、データを見てみよう。日本第一生命経済研究所の予測では、4人家族の標準世帯について言えば、10%に増税されると、その経済的負担は少なくとも8万増え、20万円に上ることもある。1000万円かけて不動産を購入した場合、納付すべき税金は50万から100万に増加。毎月の電気料金は数百円、外出すれば交通費も20%近く増える計算だ。

経済が低迷し、賃金は長年にわって増えず、減少傾向にすらある日本では、増税によって家庭の実質収入は減少する。増税に託して政府の財政を改善する前提となるのは、市場の旺盛な消費だ。財布のひもを固くして生活するとなれば、国内市場がさらに縮小するのは間違いない。そうなれば、政府の「増税で財を集める」効果は大幅に薄れるばかりか、より多くの企業が「家を捨てて外に出る」よう迫られ、日本産業の空洞化が一層進むおそれがある。そのため、日本経済は新たな悪性循環に陥ることになる。

経済専門家は「消費税増税は家庭への負担が極めて大きく、経済をかく乱する主因となる。同時に、日本経済は震災後の復興の力を借りて、まさに回復の只中にあるが、増税が回復を抑え込む可能性がある」と指摘する。

また、日本は高齢化と少子化が同時に深刻化している。日本人は退職後、年金だけで生活しており、ほかに格別収入がないなかで消費税を上げるのは、むしろ高齢者の消費意欲をそぐことになる。低下しつづける出生率によって、消費市場は新たな生活力を一層失いつつある。債務返済のために貯蓄に走る高齢者が増えていけば、日本はすぐさまより深刻な財政危機に直面するだろう。

日本政府が消費税率を引き上げる最大の動機は、赤字財政の改善だ。だが、2015年に消費税が10%に引き上げられても、依然として16兆8000億円の赤字。財政収支のバランスをとるには、少なくとも消費税率を17%、さらには20%まで上げる必要がある。日本の市民はより深い苦しみを味わうことになるだろう。

野田首相は「連立外」方式で政治的駆け引きを実現したが、民主党が選挙の際に掲げた公約は完全に破棄された。政治家の「背信」により、日本市民の政府に対する信頼と信用はさらに失われ、民主党の政権基盤はさらに揺らぎ、新たな政権交代が誘発される可能性がある。政治は混乱が続き、政策は連続性に欠ける。日本経済の泥沼からの脱却は一層難しくなった。



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